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2017 年度 実施状況報告書

チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K09934
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 淳  大阪大学, 微生物病研究所, 特任講師(常勤) (20321953)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードチクングニアウイルス / 細胞性因子
研究実績の概要

これまでの研究でチクングニアウイルスの標的細胞への感染には細胞表面のへパラン硫酸鎖への結合が重要であることが明らかにされている。へパラン硫酸鎖以外のチクングニアウイルス感染に関与している細胞性因子を同定するため、ノックアウト変異細胞ライブラリー(HAP1/GAG-/knockout cell library)に、チクングニアウイルスE膜蛋白質を有する水疱性口内炎ウイルスのシュードウイルスを接種し生き残ってきた感染に抵抗性の細胞群のうち、未だへパラン硫酸鎖を有している細胞を抗へパラン硫酸抗体を用いて回収し、これに野生型チクングニアウイルスを接種し、チクングニアウイルス感染に抵抗性の生存細胞の回収を試みた。今回、野生型チクングニアウイルス接種後に細胞死を引き起こさずに生き残ってきた細胞クローンを数クローン得られた。これら生存細胞クローンのゲノムにおいてエクソントラッピングベクターによりノックアウトされている遺伝子の候補を得ることが出来た。現在、チクングニアウイルス高感受性細胞でのこれらの候補遺伝子のノックアウト細胞を作製中である。
チクングニアウイルスの複製活性・感染量の正確な定量化を行うために、サブゲノミックプロモーターで発現制御されている構造蛋白質遺伝子領域をGFP遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子に置き換えた増殖欠損型チクングンヤウイルス発現プラスミドを作製した。これを用いて、チクングニアウイルスの複製活性をGFPの発現量またはルシフェラーゼの活性測定により定量化できる。また構造蛋白質遺伝子発現プラスミドと併用することで、2次感染が起こらない増殖欠損型チクングニアウイルスベクターを得ることが出来、GFPの発現細胞数の測定、またはルシフェラーゼ活性の測定により感染量の正確な定量化に用いることができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ノックアウト変異細胞ライブラリーより、野生型チクングニアウイルス接種後に細胞死を引き起こさずに生き残ってきた細胞クローンを得ることが出来た。
チクングニアウイルスの構造蛋白質遺伝子領域をGFP遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子に置き換えた増殖欠損型チクングンヤウイルス発現プラスミドを作製できた。またこれを用いて2次感染が起こらない増殖欠損型チクングニアウイルスベクターを得ることが出来た。

今後の研究の推進方策

今回得られたチクングニアウイルス感染関連細胞性因子候補のチクングニアウイルス感染における影響の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の検出用の試薬(抗体等)について、チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の効果が確認できるまでその購入を控えていたため。
チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の効果の確認が取れ次第、それらの検出用の試薬について購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Genome-Wide Screening Uncovers the Significance of N-sulfation of Heparan Sulfate as a Host Cell Factor for Chikungunya Virus Infection2017

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, A. Tumkosit, U. Nakamura, S. Motooka, D. Kishishita, N. Priengprom, T. Sa-Ngasang, A. Kinoshita, T. Takeda, N. Maeda, Y.
    • 雑誌名

      Journal of virology

      巻: Volume 91(13) ページ: e00432-17

    • DOI

      10.1128/JVI.00432-17

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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