現在、社会的な脅威となるようなウイルス(デングウイルスやインフルエンザウイルス、HIV-1など)に対して有効なワクチンが存在しない。これらのウイルスに対して、弱毒化した生ワクチンや不活化ワクチン、DNAワクチンなど様々なシステムで効果的な免疫を付与する試みがなされている。例えばデングウイルスで知られているようにCTLは時に炎症性サイトカインの分泌により、却って病態を重篤化させることがある。非細胞傷害性CD8+細胞はそのような副作用を回避しつつ、組織を傷つけずウイルスを排除できる可能性を持っている。このように、ワクチンにより付与される免疫について深く理解をすることは非常に有用であると考える。
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