慢性炎症性疾患において患者の血清ビオチン値の低下や、ビオチン投与による症状の改善が報告されているが、ビオチン代謝がこれらの疾患発症にどのように関わるのか、その機構は殆ど明らかにされていない。本研究ではスギ花粉症のモデルマウスやヒト初代培養細胞の炎症モデルを用いて、ビオチンによる炎症性サイトカイン、ケモカイン、MMPの発現、分泌への影響を解析した。その結果、マウスモデルにおいては、ビオチン除去飼育そのものが、IgE誘導や炎症性の症状に関連する可能性が、また培養細胞系においても、ビオチン除去条件下では炎症刺激によるサイトカイン、MMP誘導が亢進される可能性が示唆された。
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