研究課題
計画では平成29年度までにヘッジホッグ分子標的薬の効果予測のスクリーニング法の開発の準備を行うことになっており、創薬ライブラリーのスクリーニング準備を進めた。ゲノム編集とiPS細胞作製では平成29年度までにCRISPER/Cas9を用いたPTCH1遺伝子変異の補正を行うことになっていたが、現在正常アレルの破壊によるPTCH1の機能解析を行っている。また共同研究者の梅澤はGorlin症候群患者細胞から山中4因子を導入してiPS細胞の作成に成功した。cilliopathyにおけるヘッジホッグシグナルの役割解明については画像解析を現在施行中である。平成29年度までにmicroRNAsによるヘッジホッグシグナル調節機構の解明を行い、その病態機構を明らかにすることとしていたが、ほぼ解析が終了し現在論文を作成中である。このように平成29年度ではおおむね予定通りこれらの解析を施行することができた。論文作成としては、Gorlin症候群における頭囲の定量解析で部位ごとの疾患特異性を報告するとともに(Shiohama et al., Am J Med Genet Part A,2017)。さらに共同研究者の宮下らはこれらiPS細胞における複数のPTCH1遺伝子変異を同定し、変異修復過程における特異な変異変化があること(Ikemoto et al.2017 J Med Genet)、これらiPS細胞における複数のPTCH1遺伝子変異を同定し、変異修復過程における特異な変異変化があることを報告した(Ikemoto et al.2017 J Med Genet)。
2: おおむね順調に進展している
計画では平成29年度までにヘッジホッグ分子標的薬の効果予測のスクリーニング法の開発、ゲノム編集とiPS細胞作製:CRISPER/Cas9を用いたPTCH1/EVC2遺伝子変異の補正、Cilliopathyにおけるヘッジホッグシグナルの役割解明、骨形成におけるヘッジホッグシグナリング細胞内変化、microRNAsによるヘッジホッグシグナル調節機構の解明を行い、その病態機構を明らかにすることとしていた。平成29年度では予定通り、これらの解析を行った。具体的には創薬スクリーニングでは患者由来皮膚線維芽細胞およびリンパ球を用いたハイスルーアウトプットの薬剤感受性システムを薬学部と共同で開発中である。ヘッジホッグシグナル異常症やciliopathyでは脳神経細胞の異常増殖に起因する大頭症が認められるが、本研究でも正常日本人に比した頭囲の定量解析を行い、脳部位ごとの疾患特異性を報告した(Shiohama et al., Am J Med Genet Part A,2017)。また共同研究者の梅澤はGorlin症候群患者由来線維芽細胞から山中4因子を導入することでiPS細胞の作成に成功し、その細胞特性を現在報告準備中である。さらに共同研究者の宮下らはこれらiPS細胞における複数のPTCH1遺伝子変異を同定し、変異修復過程における特異な変異変化があることを報告(Ikemoto et al.2017 J Med Genet)し、これらiPS細胞における複数のPTCH1遺伝子変異を同定し、変異修復過程における特異な変異変化があることを報告した(Ikemoto et al.2017 J Med Genet)。さらにゲノム編集によるPTCH遺伝子変異の改善と逆にノックアウトによる遺伝子機能の解析を行っている。またヘッジホッグシグナルが骨代謝に及ぼす影響と、臨床上の骨密度変化の測定に関する検討も進めており、本シグナル亢進がGliを介した骨細胞に及ぼす影響も解析中である。このように本研究計画はおおむね順調に進行している。
順調に課題の解決が進んでおり、今後の研究も引き続き継続してゆきたい。Gorlin症候群患者由来細胞を用いた薬剤ハイスルーアウトプットシステムの構築をさらに進めるとともに、作製に成功したiPS細胞を用いてさらに機能解析およびゲノム解析を行い、臓器作製を目指す。特に機能解析ではiPSの分化過程でヘッジホッグシグナルの興味ある変化が臓器別に観察されており、新たな治療応用と薬剤スクリーニングを視野にさらなる未知の病態加盟を目指して実験を進めてゆく予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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