研究課題
ケトン体代謝異常症の病態の解明をこれまで行ってきた。本研究ではこれまでに発現実験系と活性測定系を確立しているβケトチオラーゼ欠損症、サクシニル-CoA;3-ケト酸CoAトランスフェラーゼ欠損症に加えて、既に患者遺伝子変異を同定しているHMG-CoA合成酵素(HMGCS2)欠損症、HMG-CoAリアーゼ(HMGCL)欠損 症,まだ症例のない3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素(3HBD)、モノカルボン酸トランスポーター1(MCT1)の原因酵素のcDNAの発現実験系を確立し、これまで同定した変異について評価、発表することと,新たな疾患が発見されたときにいち早く解析出来る様準備しておくことを目的とする. 1昨年度はHMGCS2の発現系の構築をヒト細胞培養系で確立したが、発現量が少なく変異体の評価が出来なかった。昨年度は大腸菌での蛋白発現、酵素精製系に変更して解析を進めてきた。大腸菌の系で発現した蛋白を部分精製し、活性を測定する系を構築でき、患者で見られた変異を持つ蛋白が残存活性がほとんどないことを証明できた。現在その再現性を確認中である。3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素(3HBD)についてはノックアウトマウスのfetal fibroblastsからcell lineを確立しており、この欠損細胞を用いて発現系の構築が可能となった。MCT1についてはこれまでのところCRISPHER/Cas9形を用いて欠損細胞株を得ようとしたがまだ欠損したクローンが得られていない。今後も引き続き解析を進めて行く予定である。
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Journal of Human Genetics
巻: 64 ページ: 99~111
10.1038/s10038-018-0524-x
Biochemical Journal
巻: 476 ページ: 307~332
10.1042/BCJ20180788