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2016 年度 実施状況報告書

遺伝子発現制御ネットワークに着目したウィリアムス症候群の病態解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K09965
研究機関京都大学

研究代表者

木村 亮  京都大学, 医学研究科, 助教 (20636641)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードウィリアムス症候群 / マイクロRNA / ネットワーク解析
研究実績の概要

ウィリアムス症候群は、7番染色体長腕(7q11.23領域)にある、約28個の遺伝子の部分欠失によって生じる染色体微細欠失症候群の代表的な疾患の一つであり、その臨床症状は非常に多彩である。しかし、多様な症状を呈する原因の大部分は未解明であり、欠失領域にある遺伝子の解析だけでは不十分になりつつある。我々のこれまでの研究から、ウィリアムス症候群は欠失領域にある遺伝子だけでなく、他領域を含む複数の遺伝子からなる遺伝子発現異常が表現型に関与すると考えられた。しかし、このようなゲノム全域での遺伝子発現異常の原因や臨床症状との関係は明らかになっていない。遺伝子の発現を調節する重要な因子の一つとして、マイクロRNAが知られており、近年、精神神経疾患との関係が多数報告されている。1種類のマイクロRNAは、複数の遺伝子を調節しており、標的遺伝子のタンパク質への翻訳を阻害することで、標的の遺伝子発現を抑制することが知られている。マイクロRNAを介した遺伝子発現制御ネットワークの解析により、症状に関わる複数の遺伝子を標的とするマイクロRNAが同定できれば、病態の解明だけでなく、そのマイクロRNAをターゲットとした治療への応用が期待される。
そこで本研究では、患者検体を用いて疾患特異的な遺伝子発現およびマイクロRNA発現プロファイルを明らかにし、さらに共発現ネットワーク解析等のバイオインフォマティクスの手法を適応することで、ウィリアムス症候群の遺伝子発現異常におけるマイクロRNAの関与および臨床症状との相関について明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

WS患者30名、健常30名を対象に、採血を行い、各サンプルからRNAおよびマイクロRNAの抽出を実施し、バイオアナライザ等を用いてQuality Checkを行った。また採血時に精神症状および社会性について、問題行動チェックリスト(CBCL/ABCL)および対人応答性尺度(SRS-2)を用いて評価を行った。現在、遺伝子発現およびマイクロRNA解析に着手している。

今後の研究の推進方策

引き続き抽出したRNAおよびマイクロRNAを用いて網羅的な遺伝子発現およびマイクロRNA解析を実施し、その後、共発現ネットワーク解析を試みる予定にしている。

次年度使用額が生じた理由

今年度は主としてサンプル収集を主体に行った。また実験試薬等については、試薬の使用期限の関係から、研究室が所有していたものを優先的に使用する必要があったため次年度へ繰越金が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度への繰越金は、今後収集予定の血液サンプル処理や消耗品等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Integrated gene co-expression network analysis reveals genotype-phenotype correlations in Williams syndrome2016

    • 著者名/発表者名
      Ryo Kimura, Kiyotaka Tomiwa, Tomonari Awaya, Takeo Kato, Masatoshi Nakata, Yasuko Funabiki, Toshio Heike, Masatoshi Hagiwara
    • 学会等名
      American Society of Human Genetics
    • 発表場所
      Vancouver, Canada
    • 年月日
      2016-10-19
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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