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2018 年度 実施状況報告書

成人発症の脂肪酸代謝異常症患者の診断方法確立と病態解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K09969
研究機関島根大学

研究代表者

小林 弘典  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (70397868)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード脂肪酸代謝異常症 / アシルカルニチン分析 / 血清 / タンデムマス / 成人 / グルタル酸血症2型 / 妊娠 / 心筋症
研究実績の概要

1)脂肪酸代謝異常症の診断に適したアシルカルニチン分析法の確立および運用
前年度までに確立した分析法と旧来から用いていた分析法を同一検体をもちいた分析を200検体について行い、それらの相関を検討した。C0, C2, C3, C4, C4-OH, C5, C5:1, C5-OH, C5-DC, C6, C8, C10, C10:1, C12, C12:1, C14, C14:1, C16, C16-OH, C18, C18:1, C18:2, C18-OH, C18:1-OHについて基準値を決定した。
2)成人脂肪酸代謝異常症の検索および血清アシルカルニチン値の検討
成人のNASH(非アルコール性脂肪肝炎)発症例についてのアシルカルニチン分析、成人心筋症および心筋炎発症例に対して,今年も継続してアシルカルニチン分析を行い、先天代謝異常症の検索を行った。
また、脂肪酸代謝異常症であるグルタル酸血症2型の母体例の周産期におけるアシルカルニチン分析を連続的に実施した。妊娠後期にかけて母体の血中アシルカルニチンプロフィールは顕著な改善を認めていた。出産後、十分なカロリー摂取などの栄養管理を実施され、身体所見上の増悪は認めなかったにも関わらず、2週間程度をピークとして改善していたアシルカルニチンプロフィールは増悪した。今回の経過は過去に同じく長鎖脂肪酸代謝異常症であるVLCAD欠損症で報告されていた経過に類似していた。今回の経験から、妊娠中はより代謝的な改善が見られる一方、出産後の異化亢進や経胎盤的な代謝プロフィールの改善といったには十分な注意が必要であることが示唆される。今後、同様の情報を蓄積することで疾患毎、また各疾患の重症度における管理指針などが明らかになる事が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規成人症例の診断例は本年度も無かったが、成人年齢になった脂肪酸代謝異常症の検討については順調に研究を進める事ができている。昨年度は基準値等を作成し公表する予定であったが、これについては現在準備を進めている。

今後の研究の推進方策

新規症例の発見を目指して分析症例数を増やすことを目指す。また、本研究で得られた各アシルカルニチンの基準値などについてはデータベースとして公表を目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初より検体分析に時間がかかり、結果の解析および投稿が予定通りのスケジュールで実施出来なかったため、研究予定を1年繰り越して成果をまとめることとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Flavin adenine dinucleotide synthase deficiency due to FLAD1 mutation presenting as multiple acyl-CoA dehydrogenation deficiency-like disease: A case report2019

    • 著者名/発表者名
      Yamada Kenji、Ito Michinori、Kobayashi Hironori、Hasegawa Yuki、Fukuda Seiji、Yamaguchi Seiji、Taketani Takeshi
    • 雑誌名

      Brain and Development

      巻: 41 ページ: 638~642

    • DOI

      10.1016/j.braindev.2019.04.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diversity in the incidence and spectrum of organic acidemias, fatty acid oxidation disorders, and amino acid disorders in Asian countries: Selective screening vs. expanded newborn screening.2018

    • 著者名/発表者名
      Shibata N, Hasegawa Y, Yamada K, Kobayashi H, Purevsuren J, Yang Y, Dung VC, Khanh NN, Verma IC, Bijarnia-Mahay S, Lee DH, Niu DM, Hoffmann GF, Shigematsu Y, Fukao T, Fukuda S, Taketani T, Yamaguchi S
    • 雑誌名

      Molecular genetics and metabolism reports

      巻: 16 ページ: 5-10

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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