研究課題/領域番号 |
16K09972
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
布井 博幸 宮崎大学, 医学部, 研究員 (50218260)
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研究分担者 |
前田 浩 崇城大学, DDS研究所, 特任教授 (90004613) [辞退]
松倉 誠 崇城大学, 薬学部, 教授 (70238997)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | CGDマウス / カンジダ死菌による肺炎実験 / PEG-DAO / D-amino acid |
研究実績の概要 |
研究はCGDマウスにカンジダ死菌を経気道的に投与し、炎症を惹起できたところで、PEG化したDAO(D-type Aminoic acid Oxidase)を経静脈的に投与し、CGDマウスが産生できない活性酸素を、炎症局所に移行したPEG-DAOという酵素に、D-type aminoic acidを腹腔投与することで、H2O2を産生させ、炎症を抑制することを確認することである。所謂Drug-delivery systemを用いた、CGD患者への酵素補充療法の基礎となる手技と理念を確立することである。 H28年は熊本大震災で動物実験が実施できず、 実験用CGDマウスを揃えることの出来た年度末と、7月、11月に行うことができた。いづれも、カンジダ死菌負荷したCGDマウスでは体重減少したコントロールに比べ、PEG-DAO酵素補充療法が実施できたCGDマウスでは、体重減少が軽減され、解剖した肺組織でも炎症の軽減が確認されている。カンジダ死菌負荷とPEG-DAO補充の間隔スケジュールについては、3回目の実験では死菌投与後最短の3日目で、最も炎症が極期になると考えられる時期に酵素補充療法を開始するもので、全2回の実験と同様な結果が得られていたものの、前回の1週間間隔の結果と大きな差は認められなかった。論文作成を考えると、此のようなDrug Delivery Systemを用いた酵素補充療法はまだ論文も多くなく、PEG-DAOの特許申請が論文にする前に必要であると協議の結果なったため、宮崎大学の知財部と相談して、PEG-DAOのPK/PD基礎データが必要であるという結論になり、本年度から炎症有り無しの条件でのPEG-DAOの血中活性を経時的に測定した上でPK/PDを作成し、特許申請後に、臨床応用が可能な感染後1週後の酵素補充するというスケジュールで再度実験を行い、論文とする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
そのため急遽PEG-DAOの特許申請が必要となり、現在PEG-DAOの体内動態などのデーターが必用になってきており、現在進行中である。PEG-DAOの基質特異性が、現在使用していたD-prolineより、D-Phenylalanineで活性も基質濃度もより高い活性が得られており、D-prolineとD-phenylalanineでの条件を変えた動物実験で、効果判定を繰り返し確認しているところである。 これらの条件が今年度早期に決定できれば、再度実験条件を固定して、確認実験をする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、PEG-DAOの特許申請のための体内動態などの基礎実験を行っているところであり、その結果を踏まえて、特許申請をする。並行して、CGDマウスの頭数を増やして、統計的有意差を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年、特許取得のためPEG-DAOの体内動態測定が必要になり、CGDマウスの動物実験が一時中断された為、やや進行が遅れているが、今年度も予定通り、CGDマウスの頭数を増やし、追加実験動物実験を行う予定である。
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