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2017 年度 実施状況報告書

低頻度モザイク変異検出技術を用いた生殖細胞モザイク変異の推定診断法開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K09975
研究機関昭和大学

研究代表者

加藤 光広  昭和大学, 医学部, 准教授 (10292434)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードモザイク変異 / de novo / デジタルPCR / 次世代シーケンサー
研究実績の概要

両親の保因者検査が陰性のde novo変異では、次子への再発率は低いが、両親のどちらかの生殖細胞モザイク変異によって、罹患児の両親における同胞の再発率は一般集団より高くなる。生殖細胞モザイク変異の頻度は疾患毎に異なるが、生殖細胞モザイク変異の正確な頻度の測定は難しく、多くの疾患では生殖細胞モザイク変異の頻度は不明である。近年解析技術の進歩によりモザイク変異の検出機会が増えており、モザイク変異の頻度は従来考えられていたよりも多いと考えられる。低頻度体細胞モザイク変異の診断法を開発し、より正確な遺伝相談に寄与する。これまでに脳形成障害とてんかん症候群を中心に小児神経疾患の原因遺伝子解析を行い、患児と両親のトリオ検体で年間200家系以上を新たに収集した。その結果、昨年度は47例、今年度53例のde novo変異を同定した。各症例の両親のシーケンスデータを詳細に見直し、当初はde novoと考えられたDCX変異の1例の母親に変異アレルを疑わせるピークが認められた。Taqmanプローブを用いてデジタルPCR法による検証を行ったが、変異アレルは検出できなかった。本変異については、現在、手技的なことも含めて再検証中である。両親の検体ではモザイク変異の頻度が少ないため、患児の血液でモザイク変異が疑われたCAMK2A変異例に関し、唾液、爪、毛根を用いたモザイク率の解析を行い、5.5-20%のモザイク率であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

遺伝子解析の症例集積は患児と両親のトリオ検体で年間200家系以上が新たに収集されており、de novo変異の同定は順調に進んでいる。しかし、親の体細胞モザイク変異が疑われる例は少なく、まだ低頻度生殖細胞モザイク変異を同定できていない。モザイク変異の検出法として、次世代シーケンサーを用いたディープシーケンスのためのカスタムターゲットパネルを作成した。デジタルPCRによるモザイク変異の検出を陽性コントロールを用いて確認を行う。

今後の研究の推進方策

親の生殖細胞モザイク変異の可能性があるきょうだい発症例を積極的に収集解析する。カスタムターゲットパネルを用いてディープシーケンスを行い、微量な変異アレルの検出を行うと共に、変異検出の最少限界を調べる。デジタルPCRによるモザイク変異検出技術を確立し、Sanger法では変異アレルが検出されない両親検体を解析する。dCAPS法とサイクリングプローブ法による定量PCRを行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] De novo variants in CAMK2A and CAMK2B cause neurodevelopmental disorders2018

    • 著者名/発表者名
      Akita Tenpei、Aoto Kazushi、Kato Mitsuhiro、Shiina Masaaki、Mutoh Hiroki、Nakashima Mitsuko、Kuki Ichiro、Okazaki Shin、Magara Shinichi、Shiihara Takashi、Yokochi Kenji、Aiba Kaori、Tohyama Jun、Ohba Chihiro、Miyatake Satoko、Miyake Noriko、Ogata Kazuhiro、Fukuda Atsuo、Matsumoto Naomichi、Saitsu Hirotomo
    • 雑誌名

      Annals of Clinical and Translational Neurology

      巻: 5 ページ: 280~296

    • DOI

      10.1002/acn3.528

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Delineating SPTAN1 associated phenotypes: from isolated epilepsy to encephalopathy with progressive brain atrophy2017

    • 著者名/発表者名
      Syrbe S、Harms FL、Parrini E、Montomoli M、Mutze U、Helbig KL、Polster T、Albrecht B、Bernbeck U、van Binsbergen E、Biskup S、Burglen L、Denecke J、Heron B、Heyne H O、Hoffmann GF、Hornemann F、Matsushige T、Matsuura R、Kato M、et al.
    • 雑誌名

      Brain

      巻: 140 ページ: 2322~2336

    • DOI

      10.1093/brain/awx195

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Why aetiology matters.2017

    • 著者名/発表者名
      Kato Mitsuhiro
    • 学会等名
      The 32nd International Epilepsy Congress (IEC 2017), Barcelona
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] PROSC mutations feature variable phenotype of early-onset epileptic encephalopathy2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Shiraku, Mitsuko Nakashima, Saoko Takeshita, Khoo Chai Soon, Muzhirah Haniffa, Ch'ng Gaik Siew, Kazuma Takada, Keisuke Nakajima, Masayasu Ohta, Tohru Okanishi, Sotaro Kanai, Ayataka Fujimoto, Hirotomo Saitsu, Naomichi Matsumoto, Mitsuhiro Kato
    • 学会等名
      American Epilepsy Society 2017, 71st Annual Meeting: Washington D.C.
    • 国際学会
  • [学会発表] てんかん性脳症の成因―遺伝子診断のup to date―2017

    • 著者名/発表者名
      加藤光広
    • 学会等名
      第11回日本てんかん学会関東甲信越地方会:新宿
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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