研究課題
本研究の目的は、眼球運動追跡装置を用いて、マルチモーダル(多様な)言語情報処理の神経機構を子どもの発達という観点から明らかにすることである。九州大学でフォロー中の200人を超える子どもの前向きコホート集団を対象として、平成28年度、30年度までに、それぞれ2歳・4歳時点での検査が完了し、引き続き6歳の検査を実施する予定であった。これらの長期的な計画の中で、平成31年度には下記の実績を得ることができた。1.平成31年度初めから6歳時点でのデータ収集を開始し、計100人を超える参加者の検査を完了することができた。これには、言語情報処理課題から得られる情報を補完・補足するための注意実行機能を測定する課題も含まれ、2歳・4歳で実施した課題の一部は、6歳時点でも実施可能であることを確認することができた。さらに6歳では鉛筆でのアウトプットが可能であったため、線2分法を用いた利き手の調査を新しく導入することができた。2.アイトラッカーの言語情報処理課題を補完するために注意実行機能課題を設定しており、その有用性については、すでに右利き成人で検証し発表しており、2歳・4歳のデータについて解析を開始した。注意実行機能課題については、その生理学的意義を確立するためにアイトラッカーと事象関連電位の同時計測データを解析した。その成果を米国で発表したところ、本課題の解析に抜本的な変更が必須であることが判明し、現在、再解析を進めている段階である。
3: やや遅れている
データ取得は順調であったが、解析について、当初予想していなかった抜本的なやり直しが必要となったため。
現在再解析中の2歳・4歳のデータを、令和2年度は完遂する予定である。上述した成人のデータとも比較し、その大脳生理学的な機序を解明したい。
得られたデータについて解析を進めたが、大幅に解析のやり直しが必要になったため、次年度に使用額が生じることになった。
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