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2016 年度 実施状況報告書

骨髄間葉系幹細胞移植を用いた難治性てんかんに対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K09993
研究機関札幌医科大学

研究代表者

福村 忍  札幌医科大学, 医学部, 助教 (30718341)

研究分担者 佐々木 祐典  札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
本望 修  札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
坂井 拓朗  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80639229)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経再生 / てんかん
研究実績の概要

近年、てんかんの根本的な治療法として、細胞移植療法が注目されている。作用メカニズムとして、移植された細胞より産生された神経栄養因子の神経保護作用、抗炎症作用などが考えられており、てんかんの頻度を減少させ、生活の質を改善させる可能性がある。
これまでのてんかん動物モデルに対する細胞治療の試みでは、ドナー細胞として、内側神経節隆起由来などの胎仔脳細胞、成体脳細胞、神経幹細胞、ES細胞が用いられているが、いずれも部分的な機能改善に留まっており、臨床応用はなされていない。また極めて侵襲的である脳組織(海馬、扁桃体、黒質)への直接移植を用いた研究が多く、臨床応用は比較的困難と考えられる。本研究では、臨床応用を念頭に、てんかん動物モデルに対して骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell: MSC)を非侵襲的な経静脈的に投与し、その有効性を、てんかん予防、てんかん治療、認知機能改善の観点から検討する。
実験てんかんラットモデルとして、リチウム-ピロカルピンモデルを用い、MSC移植によるてんかん発症予防と認知機能の改善とそのメカニズムの検討を行う。具体的に、けいれん重積直後にMSC移植を行うことで、のちの自発痙攣の予防効果と認知機能(モリスの水迷路)改善効果を検討する。さらにそのメカニズムを、以下の2点に注目し、画像的、組織学的に明らかにする。
1、ニューロン、特に抑制ニューロンの消失に対する効果として、けいれん後の海馬ニューロン消失に対する移植細胞の阻害効果、特に抑制ニューロンであるGABAニューロンに注目する。
2、異常神経回路形成に対する効果として、移植細胞が、海馬歯状回における苔状線維萌芽などの神経再構築を阻害する作用を画像的、組織的に明らかにする。リアルタイムに苔状線維萌芽をとらえることができる非侵襲的なマンガン造影MRIを用いる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

成体ラットに、リチウム・ピロカルピンを投与することで、60分のけいれん重積を起こさせ、けいれん頓挫24時間後、別ラットより分離・培養したMSC をラットてんかんモデルに経静脈的に投与した。対象としてけいれんなし群、けいれん重積+DMEM同量投与群をおいた。
その後、けいれん重積後の自発痙攣予防効果、認知機能低下予防効果、海馬の細胞減少予防効果、苔状線維発芽予防効果を種々の解析手法で検討している。
。

今後の研究の推進方策

今回、けいれん重積後24時間急性期にMSC投与により、けいれん予防効果、認知改善効果および、そのメカニズムとして、細胞消失(特に抑制ニューロン)の予防効果と、異常神経発芽予防効果を組織的、画像的に解析する予定である。
さらにけいれん重積後14日、60日後といった慢性期にMSCを投与することにより、MSCの慢性てんかんRatに対する治療効果をけいれん予防効果、認知改善効果、細胞消失、異常神経回路形成の点から検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度(2016年度)では、主に組織解析およびその統計解析を主に行った。実際のラット購入や必要物品費が最低限度で抑えられたため、使用額が少なかった。

次年度使用額の使用計画

本研究計画が順調に経過した場合、動物代、試薬代、培養器具代などの消耗品に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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