ミトコンドリア病の約半数の病因が不明な状況下で、未診断患者の呼吸鎖複合体の量的・質的解析により、新規の病因遺伝子や、未報告の変異を見出すことができた。ミトコンドリア病診断においては、次世代シーケンサーの利用により診断率が上がっているが、遺伝子解析と機能解析を組み合わせることにより診断率をさらに向上させることが可能であることが示された。診断の確定は疾患への対応法や予後に関する情報を患者やその家族に提供することを可能とした。また、遺伝子変異が与える呼吸鎖酵素への影響を明らかにしたことは、病態解析と病因に応じた治療法開発にも寄与するものと考える。
|