研究課題/領域番号 |
16K10011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 祐子 東北大学, 大学病院, 助教 (40610671)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 毛様細胞性星細胞腫 / 微小残存病変 |
研究実績の概要 |
神経膠腫は臨床的な悪性度に応じてⅠ-Ⅳへ分類される。今回はグレードⅠの毛様細胞性星細胞腫症例の腫瘍と血しょうを対象とし、KIAA1549-BRAF融合遺伝子、KI-B9、K16-B11 、KIAA1549 exon15-BRAF exon11 reverse、BRAFV600E、CDKN2A欠失をターゲットとする。研究期間を通じ、検体は提供者の同意を得て取得し利用する。 1、摘出腫瘍検体より、上記の遺伝子について次世代シークエンスにより定量的に解析をする。2、腫瘍摘出時に採取した血しょうおよび髄液を用いてMRDを検出する。3、摘出前後の血しょう拡散が減少しているか定量し比較検討する。4、研究が計画通り進まず上記変異をMRD検出できない場合には、CGHアレイによりコピー数が変化している変異を検出し、比較する。5、治療終了時のマーカーとして、MRDと画像のいずれが優れるか比較する。6、現在、再発高悪性度神経膠腫に対しては臨床試験としてBRAF阻害剤とMEK阻害剤の併用治療が始まっている。今後は本研究のような低悪性度神経膠腫にも適応拡大される見込みであり、分子標的療法と合わせてMRD有用性を検討できるとよい。
具体的には、今年度も前年度に引き続き、新規症例について症例数を蓄積する。また、症例数が十分に蓄積された場合には、初期治療終了時点に治療前との比較をおこない、MRDの効果判定としての有用性を検討する。再発症例で化学療法後に摘出を行った場合には新規変異が加わっている可能性があり、同様に比較検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
毛様細胞性星細胞腫患者の蓄積が進んでおらず、研究をすすめられていない。なお、膠芽腫のような高悪性度神経膠腫においては血しょうからの微小残存病変検出が進んできているが、本研究のような低悪性度神経膠腫については目立った報告はない。今後は他疾患まで含めた研究内容とすべきか検討を要している。
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今後の研究の推進方策 |
新規症例の集積とともに、研究内容の再検討を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、該当症例の蓄積を待っている状況であり、蓄積し次第、各種解析目的にぜひ使用させていただきたいと考えている。
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