研究課題
神経芽腫細胞株に対して、低分子化合物ライブラリーを用いてスクリーニングを行い、STAT3、survivine、HIF-1α、proteasome阻害剤が抗腫瘍効果を示すことを見出した(樋渡光輝. 日本小児血液・がん学会雑誌.2017)。進行神経芽腫ではSTAT3の活性化により神経芽腫細胞の不死化を増強させ、抗がん剤によるアポトーシスの働きを減弱させることが報告されている。さらに、白血病幹細胞においてSTAT3が高発現していることが示され、白血病発症初期に関与していることが示唆されている。さらにCucurbitacin I (STAT3阻害剤)が、神経芽腫治療効果が期待される低分子化合物の一つであることを同定した。本研究ではCucurbitacin Iが、神経芽腫細胞株において、濃度依存性に神経芽腫細胞株の増殖を抑制した。 次にALK変異を持つTGWを用いて検討し、Cucurbitacin Iは、ALK下流シグナルであるSTAT3のリン酸化を阻害することにより作用することが示唆された。ALKの下流シグナルにはSTAT3が存在することから、これらの結果よりALK変異を持つ神経芽腫発生に対するSTAT3経路が治療標的となり、その阻害剤であるCucurbitacin Iによる治療効果の期待が示唆された(樋渡光輝 神経芽腫に対する新規分子標的療法の探索 The Japanese Journal of Pediatric Hematology/Oncology 54: 2017)。
すべて 2018
すべて 学会発表 (27件) (うち国際学会 9件)