従来の化学療法を強化するのみでは難治例白血病や固形腫瘍のような小児がんに対する生存率の改善の期待はできない、更に晩期合併症による生活の質の低下も懸念される。本研究ではSTAT3阻害剤が神経芽腫に対して抗腫瘍効果を認めており、STAT3が神経芽腫のある部分では特異分子として考えられ、直接の標的とする分子標的療法の開発が、それまで難治性であった神経芽腫の生存率を大きく向上させ、また晩期合併症の軽減にも有用であると期待される。本研究の成果が実用化されれば、がん克服者の晩期障害の軽減が達成可能となり、医療費や医療資源の削減が達成され、社会福祉といった観点からも大きな効果がある。
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