研究課題
アクチン線維を架橋する蛋白α-actinin-1の遺伝子(ACTN1)の異常は、先天性巨大血小板性血小板減少症(CMT)を引き起こす。α-actinin-1はアクチン結合ドメイン、calmodulin-likeドメインを両端に持ち、両部位をつなぐ4つのspectrin like repeat(SLR)ドメインよりなる逆平行の2量体構造を取っている。我々は非機能的ドメインと考えられていたSLRドメインの変異が血小板減少・リンパ球減少・低γグロブリン血症を伴っていることを見出し、その機序の解明を試みた。患者由来SLR変異を導入したChinese hamster ovary細胞では、アクチン結合ドメインやcalmodulin-likeドメインの変異と同様にアクチン構成異常を認め、非機能ドメイン変異であってもCMTの原因となりうることを見出し報告した(Ann Hematol.2016;95:141)。しかし我々は患者由来B lymphoblastにB細胞受容体刺激を加え、アクチン構成異常を評価したが,免疫異常を伴わない機能ドメイン変異も免疫異常を伴うSLR変異も共に、健常者に比べてアクチン構成不全を認めていた。即ち免疫不全症の原因はB細胞におけるアクチン構成異常だけでは説明できず、未知の機序によることが示唆された。
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