研究課題
難治性脳腫瘍疾患を対象としてキメラ抗原受容体と内在性T細胞受容体を用いた免疫療法の有効性について前年度から引き続きいて検討を行った。標的対象Xに対するキメラ抗原受容体を発現させたT細胞と脳腫瘍細胞モデルと共培養をおこなったところ、良好な抗腫瘍効果を確認することができた。したがって小児脳腫瘍においてもキメラ抗原受容体を応用した免疫療法が有効である可能性が示された。一方で小児脳腫瘍疾患の腫瘍組織においてWT1がほぼ全例で発現していることが確認された。またWT1ペプチドワクチンを実施したGlioma8例(Ependymoma 4例、Glioblastoma 2例、PNET 1例、Medulloblastoma 1例)においては、Ependymomaの半数で実際にWT1特異的細胞傷害性T細胞の確立が確認されている。このことから対象疾患によっては、内在性T細胞受容体を用いた免疫療法を併用することで相乗効果が得られる可能性が示唆された。脳腫瘍に対する細胞療法を行うにあたっての懸念事項の一つとして、いかに免疫細胞を局所に到達させるかという課題が存在する。我々は過去に髄腔内ドナーリンパ球輸注の症例報告を行っているが、実臨床への応用を目標とした際の品質確保並びに保証方法についても現在のレギュレーションに準じて検討を行った。さらに、免疫療法における免疫モニタリング方法の構築並びに小児疾患での評価方法について検討を行った。
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