研究課題
我々は、リンパ管腫症が「異常な紡錘型細胞」を介し、正常リンパ管内皮細胞を拡張、増殖させるという発症仮説を立てた。リンパ管腫症検体から「リンパ管腫症細胞」と「異常な紡錘型細胞」を分離培養し、「異常な紡錘型細胞」によって正常リンパ管内皮細胞からリンパ管腫症を発症するかどうかを検証した。病変部位から採取された検体は、正常な脈管細胞など様々な細胞が混在した集団であるため、フローサイトメトリーを用い、リンパ管内皮細胞特異的な抗原によって「リンパ管腫症細胞と異常紡錘型細胞」をソーティングした。CD34(-)CD31(+)VEGFR-3(+)Podoplanin(+)細胞はリンパ管腫症細胞、異常な紡錘型細胞とされ、分離した細胞株は、チューブフォーメーションアッセイでも拡張管腔構造を呈し、異常なリンパ管組織を形成することが分かった。また正常細胞との共培養も行い、少量のリンパ管腫症細胞が何らかの影響を与えていることが判明した。さらにエクソーム解析を行ったところ、低頻度のNRAS遺伝子変異を認め、病態との関連性が示唆された。本研究結果は現在、国際誌に投稿中である。また同様の症例の血漿中サイトカインとして、VEGF-A、C、D、PDGE、 IL-1、 IL-6、IL-8、Pleiotrophin、IGF-1、Endothelin-1、Thrombospodin、Angiopoitin-1/2、sIL2Ra、 TNF-a、 MCP-1などマルチプレックス解析したところ、6つのサイトカインが優位に変化していることが判明した。これらは疾患バイオマーカーとなり得ることがわかった。この結果は国際誌に投稿し、修正中である。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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