研究実績の概要 |
本年度は、一部計画を変更して、以下の2点の検査の条件検討をすすめた。 1.放射性同位元素を使わないリンパ球刺激試験の実施条件の検討 これまでリンパ球刺激試験は放射性同位元素で標識したチミジンを刺激したリンパ球に添加してその取り込みを放射線の検出をすることで検討が行われてきたが、放射性同位元素を使うため特別な実験施設が必要となるなど課題もあった。今回の放射性同位元素を用いない方法としてBrdU ELISA法やEdUとClick-it反応を用いるものなどを試みて一定の条件設定ができたため、今年度は実際の食物アレルギー患者さんで化学発光法を用いてBrdU ELISAを実施するに至った。特にFPIESの患者さんにおいてBrdU ELISA法を用いた検討で良好に抗原に対する反応が得られたため、学会での発表を行った。今後さらに条件の検討を進めているところである。 2. ELISpot法による食物アレルギー患者の抗原特異的T細胞の解析 今年度はELISpot法について、条件検討を繰り返し、食物アレルギー患者において、ELISpot法を実施した。IFN-γ, IL-4のDual color ELISpot法を用いて食物アレルギー患者さんにおいて検査を実施した。特にFPIESの患者さんにおいてIL-4のspotは抗原刺激でほとんど確認できず、むしろIFN-γのspotが確認された。これについては今後学会発表予定である。
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