今後の研究の推進方策 |
今後は、抗カルジオリピン抗体が陰性の習慣性流産症例、自己免疫疾患例を対象として、網羅的抗リン脂質をELISA法にて測定する。これらの疾患におけるそれぞれの抗リン脂質抗体の動態を把握する。方法は以下である。① 患児と保護者の同意を得て採血し、血清を分離する。② PC、PE、CL、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、エタノラミンプラズマロージェン、リゾホスファチジルコリン、それぞれをエタノールで50 µg/mlに懸濁し、ELISAプレートにcoatingする。③ 1/10希釈の血清を3 wellずつ添加反応させる。④ 次いで1/2,000希釈のperoxidaseでラベルされたヤギ抗ヒトIgG抗体を添加反応させ、o-phenylenediamineによる発色を行い、吸光度を測定する。 また、動物モデルを用いてポリクロナル抗体を作成し、ヒトの血管内皮細胞、大脳、視神経の病理切片に免疫染色し、それぞれの臓器への抗体の親和性を検討する。方法は以下である。① ウサギにPC、PE、CL等をアジュバントとともに感作させ、ポリクリナル抗PC抗体、抗PE抗体、抗CL抗体等を作成する。② 保存されている大脳、視神経、脊髄等の病理切片に、抗PC抗体、抗PE抗体、抗CL抗体等が高値の患児の血清を重層し、4℃、overnightで培養する。③ Wash、Blocking後、1/1,000希釈のマウス抗ヒトIgG抗体を重層し、4℃、overnightで反応させる。④ Wash後、peroxidaseでラベルされたヤギ抗マウスIgG抗体を重層する。⑤ 3,3’-diaminobenzidine, tetrahydrocholorideにて発色する。
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