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2017 年度 実施状況報告書

既存の自己抗体が未特定の自己免疫疾患における網羅的抗リン脂質抗体の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K10031
研究機関大分大学

研究代表者

是松 聖悟  大分大学, 医学部, 客員教授 (60264347)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード抗リン脂質抗体
研究実績の概要

若年性特発性関節炎における抗リン脂質抗体とその臨床的意義:症例報告

【目的】抗リン脂質抗体症候群は、SLEをはじめとする自己免疫疾患、感染や薬剤投与に続発し、反復性流産や動静脈血栓症の原因となる。その臨床診断は抗cardiolipin(CL)抗体にてなされる。一方、ヒトの関節軟骨や滑膜血管にはphosphatidylcholine(PC)やphosphatidylethanolamine(PE)、sphingomyelin(SM)等のリン脂質が高濃度含有されているおり、若年性特発性関節炎(JIA)における、これら抗リン脂質抗体とその臨床的意義を検討した。【対象と方法】7歳発症の全身型の女児。NSAIDs、MTX、mPSLにて治療するも、12歳時に再燃し、抗IL6受容体抗体療法を導入。その後寛解し、15歳時から無投薬で現在16歳。保存血清より、ELISA法にて、抗PC、PE、SM、CL-IgG抗体を測定し、血清IL6値と対比した。【結果】初診時(7歳)/寛解時(10歳)/再燃時(12歳)/再寛解薬剤中止後(16歳)の血清IL6(<10 pg/ml):162/5/25/8に対し、抗PC-IgG抗体(<0.12):0.36/0.11/0.20/0.07、抗PE-IgG抗体(<0.14):0.30/0.09/0.14/0.05、抗SM-IgG抗体(<0.12):0.17/0.07/0.13/0.06、抗CL-IgG抗体(<0.10):0.19/0.05/0.09/0.04で、抗PC-IgG抗体は病勢と相関した。【結論】関節軟骨や滑膜血管に高濃度分布する抗PC抗体は、JIA増悪因子となりえ、特異性の高い抗PC抗体吸着療法の有用性を示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大分大学地域医療・小児科分野教授として研究していたが、大分県3番目の市である中津市立中津市民病院の小児科医が大量離脱する緊急事態が発生し、地域医療の崩壊の危機にさらされたため、医学部長の命により、大分大学客員教授、中津市立中津市民病院副院長として、地域医療の立て直しに従事した。このため、この1年の研究には遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

臨床の状況は徐々に改善傾向があるため、平成30年度は、平成29年度よりも研究に従事できると思われる。

次年度使用額が生じた理由

前述の平成29年度に生じた地域医療崩壊の立て直しへのエフォートによって、研究が充分に進まなかった。平成30年度は遅れを取り戻すべく研究を行う予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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