我々は抗カルジオリピン(CL)抗体が陰性であったSLEに網膜中心静脈閉塞症を合併した症例において、血管内皮細胞のリン脂質の主要構成成分である抗ホスファチジルコリン(PC)抗体が上昇している例を見いだし報告した。今回は、基礎疾患未確定の小児の脳梗塞例の中に、リン脂質抗体が上昇している例がないかを検討した。対象児のうち、2回ともに抗CL抗体がCut off値を超えて上昇していたのは1名のみであったが、抗PC抗体、抗PE抗体は3名、抗PS抗体は2名に継続した上昇がみられた。リン脂質の微量構成成分に対する抗CL抗体が陰性の場合でも、主要構成成分に対するリン脂質抗体の上昇している例があることを示した。
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