研究課題/領域番号 |
16K10041
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70221207)
|
研究分担者 |
小原 洋志 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (40528733)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 溶血性貧血 / 無効造血 |
研究成果の概要 |
2015-2019年の4年間に合計255例の原因未確定の溶血性貧血症例を解析した。その結果、188例(73.7%)に病型を診断し得た。病型別では、遺伝性球状赤血球症(HS)が最も多く、二番目は脱水型遺伝性有口赤血球症(DHSt)であった。定量的赤血球浸透圧抵抗試験(FCM-OF)がDHStのスクリーニング検査として有用であることを示した。 KLF1-CDA患者由来赤芽球は、正常対照と比べてγグロビン遺伝子発現が上昇、4.2タンパク遺伝子の発現低下が著明であり、KLF1遺伝子変異はヘモグロビンスイッチングの障害、赤血球膜骨格の不安定化などの複合要因により無効造血を引き起こしていることが示唆された。
|
自由記述の分野 |
遺伝医学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト赤芽球の分化障害(無効造血)や成熟赤血球の早期細胞死(溶血)により様々な先天性貧血が発症する。我々は赤血球膜・酵素・ヘモグロビンなどの異常により発症する先天性溶血性貧血の病因解析を実施し、その74%に病因を確定出来た。本研究では無効造血や溶血の病因解析のための網羅的遺伝子解析システムを構築し、患者iPS細胞から分化した赤芽球を用いた病因解析を実施した。脱水型遺伝性有口赤血球症(DHSt)が遺伝性球状赤血球症に次いで頻度の高い先天性溶血性貧血であることを明らかにし、迅速診断法としてフローサイトメトリーを用いた定量的赤血球浸透圧脆弱性試験(FCM-OF)が有用であることを示した。
|