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2018 年度 実施状況報告書

乳児期における腸内細菌叢の構成、新たなバイオマーカーとアレルギー疾患の発症の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10043
研究機関日本医科大学

研究代表者

Ruby Pawankar  日本医科大学, 医学部, 准教授 (00287674)

研究分担者 森田 英利  岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70257294)
服部 正平  早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (70175537)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードアレルギー / 腸内細菌 / 乳幼児
研究実績の概要

アレルギ-性鼻炎、喘息、食物アレルギ-などのアレルギー性疾患は、ここ数十年、特に小児で増加し世界的な医療問題である。親のアレルギー素因、環境汚染、生活習慣、栄養epigeneticsなどはアレルギー疾患の増加に関わると報告されているが、明らかな原因は未だ知られていない。そこで生活習慣病である児へのアレルギー疾患の発症と病態形成に腸内細菌叢の変化が関すると考えられている。新生児~乳幼児早期の腸菌叢の変化は免疫発達に強く影響し、この影響は生涯持続すると考えられている。新生児~乳幼児早期に腸内細菌叢に影響を及ぼす因子として分娩様式、抗菌薬の使用、栄養方法などがあげらる。このような因子を記録するとともに出生後の経時的な腸内細菌叢解析と生体の免疫評価を行うことで、腸内細菌叢の構成変化から疾患の発症を予測するとともにアレルギー疾患の予防へも応用可能と考えられる。
本研究の目的は腸内細菌叢構成からアレルギー疾患の発症を明らかにすることであり、以下のような研究を計画している。
1)アレルギー疾患(特に食物アレルギー、気管支喘息)の発症に関連する腸内細菌叢の解析。
2) アレルギー疾患の発症に関連するバイオマーカー(TSLP, IL-17, IL-33, IL-25, Vitamin D, Treg, ILC2など)を検討。
3)プロバイオティクス、プレバイオティクス、VitaminDの介入効果を検討。新生児~乳幼児早期に腸内細菌叢に影響を及ぼす因子として分娩様式、抗菌薬の使用、栄養方法などがあげられる。
このような因子を記録するとともに出生後の経時的な腸内細菌叢解析と生体の免疫評価を行うことで、腸内細菌叢の構成変化から疾患の発症を予測するとともにアレルギー疾患の予防へも応用可能と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腸内細菌叢構成からアレルギー疾患の発症を明らかにすることであり申請者は平成27年にすでに同意を得た対象者から日本医科大学付属病院で出生したBirth cohortの乳児期における腸内細菌叢の構成とアレルギー疾患の発症の関連性をしている。
1か月、3か月、6か月、12月、2歳、3歳で検診している。食物アレルギーと診断されたのは31人でした(sp IgE, 皮膚プリックテスト、負荷試験にて診断し)。アトピー性皮膚炎と診断されたのは24人で、このうち食物アレルギーが関与したものは18人であった。
Day 0, 1ヶ月と6ヶ月の腸内細菌叢の解析し、6ヶ月の腸内細菌叢の構成変化(dysbiosis)がみられた。6ヶ月の菌叢で子供のアレルギーと、周産期抗菌薬、分娩直前抗菌薬の3つの項目で関連性 が見られました(statistically significant)。
12か月、2歳、3歳のフォローで糞便と血液のサンプルを採取しこれから腸内細菌叢の解析を行う予定です。
さらに発症に関連するバイオマーカー、皮膚バリア機能、プロバイオティクス/プレバイオティクスの作用機序を解明する。血バイマカー、皮膚のバッリエリア機能、皮膚の細菌などうを検討する予定です。このことをすることによって腸内細菌叢構成からアレルギー疾患の発症を明らかにすることがかんがえられる。

今後の研究の推進方策

研究施設は日本医科大学付属病院生命研究棟の小児科研究室と日本医科大学大学院棟研究施
設で行う。Birth cohortの12か月、2歳、3歳の腸内細菌叢の解析を行っています。既に本大学付属病院倫理委員会の承認を得ており(受付番号27-04-438)消品:ELISA(TSLP,IL-17,IL-33など)、抗体関係(Treg,Foxp3,ヘルパーT細胞プロファイリングなど), RNA抽出キットをRealtime PCR用試薬(nCounter system)は生命研究棟で共用機器として使用可能である。マイクロアレイ、TSLP,などとを購入予定。FACSは日本医科大学微生物学免疫学教室の管理で共用することが可能でヘルパーT細胞プロファイリングのためのPBMCを用いたフローサイトメトリー解析は微生物学免疫学教室の教室員の協力を頂きながら解析方法を確立する予定である。RealtimePCRの機械は生命研究棟で共用機器として使用可能である。サイトカインプロファイルはELISA法で測定する。本研究に当たり、必要な機材、備品はそろっており、消耗品および研究発表のために研究費を使用する予定である。
その他:アレルギー疾患の発症に関連する腸内細菌叢の解析は分担者に依頼する予定です。
本研究で得た成果は日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会などの国内.の国外の学
会でも発表していく予定である。J Clin Invest, JACI, J ExpMed, NEJM などの国際誌 に論文を報告する予定です。

次年度使用額が生じた理由

腸内細菌とバイオマーカーの解析用サンプルとして新生児から3歳まで血液と糞便を定期的に採取しています。1歳までは,ほぼ解析が済んでいますが、2歳から3歳までは、まだサンプルの一部の採取が出来ていません。残りの採取分をまとめて解析を依頼する予定です。その為あと1年の延長をよろしくお願いいたします。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Obesity and adiposity indicators in asthma and allergic rhinitis in children2019

    • 著者名/発表者名
      Tajima H, Pawankar R.
    • 雑誌名

      Curr OpinAllergy Clin Immunol

      巻: 19 (1) ページ: 7-11

    • DOI

      10.1097/ACI.0000000000000504.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials2018

    • 著者名/発表者名
      Cuello-Garcia C, Fiocchi A, Pawankar R
    • 雑誌名

      Clin Exp Allergy

      巻: 11 ページ: 1468-1477

    • DOI

      10.1111/cea.13042

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Microbiome, air polliution and allergies2018

    • 著者名/発表者名
      Pawankar R.
    • 学会等名
      European Academy of Allergy and Clinica immunology May 2018, Munich
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The Microbiome, Biodiversity and Allergies2018

    • 著者名/発表者名
      Pawankar R.
    • 学会等名
      Korean Academy of Allergy Asthma and Immunology 2018, China April 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Biologics and Biomarkers in Asthma2018

    • 著者名/発表者名
      Pawankar R
    • 学会等名
      Malaysian Allergy Immunology Congress 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The Microbiome and Changing Patterns of Food Allergies in Asia2018

    • 著者名/発表者名
      Pawankar R
    • 学会等名
      Gorden Research Conference on Food Allergy, Stanford, USA
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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