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2016 年度 実施状況報告書

早産児の慢性肺疾患進展に対する細菌学的要因の特定と発症予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K10049
研究機関産業医科大学

研究代表者

保科 隆之  産業医科大学, 医学部, 講師 (30398078)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード感染症 / 新生児
研究実績の概要

新生児期の呼吸障害に引き続く慢性的な呼吸障害の総称である慢性肺疾患発症の危険因子として出生前後の感染症の関与が指摘されている。われわれは、出生時より人工呼吸器管理を必要とした新生児の気道分泌物を定期的に採取し、細菌の16S ribosomal RNA遺伝子をPCR法によって増幅して得られた産物をクローニングし、その塩基配列から細菌を同定する手法を用いて、慢性肺疾患に進展に対する細菌学的要因を明らかにし、それを予防する最適な治療の確立を行うことを目的とする研究を開始した。
出生時から呼吸障害を呈し、人工呼吸器管理を行った早産児を対象とし、出生時は胃液を採取し、その後は抜管されるまで定期的に気道分泌物を採取した。出生直後の検体は、ほとんどの症例で獲得できるため、まずは、出生時に採取した胃液を用いた解析を行った。その結果、母体に切迫兆候があり早産となった児の約40%で、PCR法の解析結果から細菌の存在が示唆された。この検体をさらに解析すると、Lactobacillus属の細菌が多くの症例で検出されており、これらの細菌が早産に関連している可能性が示唆された。
一方、慢性肺疾患の要因を検索するためには、出生後の気道細菌叢の解析を行う必要がある。しかし、現在まで長期間にわたる人工呼吸器管理を必要とした症例が少ないため、出生時と同様の細菌が長期間気道内に存在し続けるかは解析できていない。今後は、こうした症例をより多く集積する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

得られた結果を解析し、結論を導くのに必要な対象者数には達していないが、一定の傾向がわかる程度までには達している。現在は、対象症例を増やし、検討すべき項目の測定を行っている。

今後の研究の推進方策

引き続き、対象症例を増やし、検討すべき項目の測定およびデータ解析を行い、得られた結果の解釈を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定よりも、実験試薬および実験器具にかかる費用が少なかったことが考えられる。

次年度使用額の使用計画

次年度以降、実験やデータ解析にかかる費用については不確定な部分もあるため、次年度予算に加えて前年度の繰越金を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Efficacy of periodic surveillance culture in a neonatal intensive care unit in the presumption of causative pathogens of late-onset bacterial infection2017

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa S, Hoshina T, Kinjo T, Araki S, Kusuhara K
    • 雑誌名

      American Journal of Infection Control

      巻: 45 ページ: 251-254

    • DOI

      10.1016/j.ajic.2016.09.022

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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