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2018 年度 実施状況報告書

本邦における巣状分節性糸球体硬化症の疫学と病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10057
研究機関山形大学

研究代表者

橋本 多恵子  山形大学, 医学部, 助教 (30507629)

研究分担者 沼倉 周彦  山形大学, 医学部, 講師 (00400549)
早坂 清  山形大学, 医学部, 名誉教授 (20142961)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 / 巣状分節性糸球体硬化症 / 遺伝性腎疾患 / 末期腎不全
研究実績の概要

私たちは日本人ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)/巣状分節性糸球体硬化症(FSGS) 22家系の24例を対象とし,次世代シークエンサーを用いて、まず初 めに、解析開始当時の段階で知られていた26個の既知のSRNS/FSGS病因遺伝子を解析し,5家系6例に8つの病因となる遺伝子変異(劣性遺伝を示す4つの変異,優 性遺伝を示す4つの新規の変異)を検出したが、約80%の家系では,病因遺伝子が同定されていない. 現在、私達は,SRNS/FSGS 22家系の24例のエクソーム解析により得られたデータを有しているが、本研究では,新規の遺伝子について、病因が同定されなかった 患者のデータを再解析し,新たな病因遺伝子の同定を試みることを主目的としていた。 しかし、新たに、2015年にNUP107 遺伝子がSRNSの原因遺伝子と報告され、既解析の1家系2人が同変異を有することが報告されたが、さらに原因遺伝子変異が判 明しなかった患者1名において、NUP107遺伝子変異を有すること、またもう1名については、その後SRNS原因遺伝子と報告されたNUP93遺伝子変異を有することが 明らかになり、それぞれにおいて両親家族検体の協力も得られ、原因遺伝子変異である可能性が高いことを明らかにした。また、未染色の患者腎生検検体も入手 し、その原因遺伝子産物の発現の有無や局在の変化について確認作業を継続している。 さらに、今後も東京女子医科大学からの協力をいただき、新規SRNS/FSGS患者検体をさらに収集する予定となっており、さらに9人が対象患者として追加されている。今 後も解析対象者を増やし、エクソーム解析による既報遺伝子変異の確認と、さらに新規原因遺伝子の発見へのデータ収集を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たな検体がさらに増えており、解析に時間がかかっているため。 また変異が見つかった場合に、ご家族の検体協力や、各施設からの病理所見、臨床所見などを収集しなければ診断につながらないが、多施設にわたるため収集に 時間を要している。

今後の研究の推進方策

解析済みで原因遺伝子の確認されていない患者に対しては、さらに新たな遺伝子変異の報告があった場合はエクソーム解析データの再検索を施行する。 また対象症例数をさらに増える予定なので検体到着次第解析を施行する。 既報遺伝子の新規遺伝子変異が見つかった場合は、家系解析を追加、病理標本の確認、また機能解析の一端としては、未染色標本などを入手し、該当遺伝子産物 の有無や局在の確認など機能解析を追加する。 また既報、新規の原因遺伝子変異が検出されなかったものに関しては、その共通の臨床症状、腎外症状などから新規の病因遺伝子についてしぼりこんでいく

次年度使用額が生じた理由

エクソーム解析の価格が年を追うごとに安価になり、またキャンペーン価格を利用したりすることにより、予定していた金額より出費を抑えることが可能になった。また海外での学会発表出張を2回予定していたが、1回のみとなった。途中から本研究が共同研究化したため解析費用を共同研究先が一部負担したため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Clinicopathological characterization of steroid-resistant nephrotic syndrome caused by NUP107 mutations2018

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto T, Harita Y, Miura K, Ishizuka K, Akioka Y, Hisano M, Horie H, Matsumura C, Tamiya G, Ogino D, Mitsui T, Hayasaka K, Hattori M
    • 学会等名
      第16回日韓中小児腎セミナー 韓国、釜山
    • 国際学会
  • [学会発表] Nucleoporin遺伝子変異を有するステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の臨床経過と分子病理像の解析2018

    • 著者名/発表者名
      橋本多恵子、張田豊、三浦健一郎、石塚喜世伸、秋岡祐子、久野正貴、堀江弘、北村博司、 荻野大助、田宮元、山口裕、三井哲夫、早坂清、服部元史
    • 学会等名
      第53回日本小児腎臓病学会 学術集会 福島

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公開日: 2019-12-27  

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