本研究では、モノクロタリン誘発肺高血圧ラットに対するデクスメデトミジン(DEX)の効果を検討した。DEXはラットの生存率、右室収縮期圧ともに改善した。また組織学的には肺動脈平滑筋細胞の中膜肥厚を改善し、またリン酸化p65発現量も低下した。ヒト肺動脈平滑筋細胞(hPASMCs)に線維芽細胞増殖因子2で刺激をし、DEXを投与したところ、hPASMCsの増殖が濃度依存性に抑制された。またhPASMCsにおけるインターロイキン6(IL-6)のmRNA発現量がDEXによって抑制された。 このことから、肺動脈性肺高血圧症において、DEXはIL-6を介したNF-kBの発現を阻害することが示唆された。
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