研究課題
岡山大学の高度な診療力、研究力と分析技術を背景にトランスレーション研究を行いながら、①血管内皮機能、②酸化・ニトロ化ストレス(レドックス制御)、③一酸化窒素(NO)生成、レドックス制御と密接なアルギニン代謝を綿密に評価することで、危急・難治疾患の適正管理の方向付け、新規の効果的治療法・予防法の開発を目指した。2018年度の主な研究成果を記述する。(1)全身性血管炎の代表的疾患で、血管内皮障害、酸化ストレス亢進を特徴とする「川崎病」の発症に乳児期の大気汚染曝露が危険因子であることを示した(Yorifuji T. J Pediatr. 2018)、「川崎病」発症に乳児期早期に受ける母体喫煙が危険因子であることも示した(Yorifuji T. Sci Total Environ. 2019)。「川崎病」のBCG痕変化の病態学的意義を示した(Araki T. J Int Med Res. 2018)。(2)エネルギー産生障害、肝障害、酸化ストレス亢進を特徴とする「シトリン欠損症」の乳幼児期のアミノ酸代謝異常の詳細を示した(Miyazaki T. JIMD Rep. 2019)。(3)成長障害、酸化ストレス亢進を呈する不当軽量児(SFD児)のコレステロール代謝、アミノ酸代謝、NO生成の特徴を示した(Nagasaka H. J Int Med Res. 2018)。「SFD児」が幼児時入院の危険因子であることも示した(Yoshimoto J, et al. Acta Paediatr. 2019)。(4)出生順位と気管支喘息など各種アレルギー疾患の発症との関連性を示した(Kikkawa T. Clin Exp Allergy. 2018)。(5)マウス急性脳症モデルで抗HMGB-1抗体を用いた分子標的治療の有効性を示した(Nosaka N. J Med Virol. 2018)。
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