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2017 年度 実施状況報告書

動脈管筋収縮制御タンパク質のリン酸化解析とメタボロミクス解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K10077
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

竹内 大二  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40328456)

研究分担者 羽山 恵美子  東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00349698)
中西 敏雄  東京女子医科大学, 医学部, 特任教授 (90120013)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード動脈管 / メタボロミクス / HSP27 / 酸素感受性
研究実績の概要

本研究ではHSP27やHSP20を検出する抗体を多くの実験で必要とする。ラットや家兎の胎仔血管が主な対象試料であるため、試料中のタンパク質量を増やすことも容易ではない。これら試料のウェスタンブロットの検出に市販の抗HSP27モノクローナル抗体を使用したところ検出感度が極めて低かったことから、ポリクローナル抗体を自作することとした。
家兎HSP27とHSP20の全コード領域をPCRクローニングし、pET19b大腸菌発現プラスミドに挿入した。発現した10xヒスチジン融合HSP27やHSP20タンパク質は、多量であったが、いずれも不溶性タンパク質であった。界面活性剤などを用いてこれらを可溶化し、ニッケルビーズカラムを用いて精製、濃縮してアジュバントと混和し、抗原として複数のマウスに皮下投与した。数ヶ月に渡り、マウスの尾からたびたび採血し、抗原に対して高タイターの抗血清を得た。家兎やラット血管試料から尿素・チオウレア・界面活性剤のCHAPを含む溶解液でタンパク質を抽出し、これらをSDS電気泳動して調製したウェスタンブロットに、得られた抗HSP27抗血清を一次抗体として用いたところ、HSP27を高感度に検出できた。
HSP27のリン酸化の検出条件の検討のために、家兎成獣の下行大動脈に、in vitroで血管収縮作用剤であるエンドセリン1や塩化カリウムを添加、37℃で培養し、収縮血管試料を調製した。脱リン酸化阻害剤を含む上記溶解液でタンパク質を抽出し、フォスタグ電気泳動、続いてブロッティングによりブロットを得た。このブロットを、作製した抗HSP27抗マウス血清を用いて検出すると、HSP27の複数のリン酸化状態を示すバンドが未処置コントロール試料に対して変動するのを確かめることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度はメタボロミクス解析を進め、興味深い結果を得た。本年度は、ヒートショックタンパク質(HSP)27やHSP20のリン酸化状態を検出するために必須である抗体を作製することができた。また、実験動物の血管試料からのタンパク質抽出法、フォスタグ電気泳動法、ブロット作製条件、ケミルミネッセンスによる高感度検出法など一連の手法をほぼ確立できた。HSP20については、未完成であるが、本研究の主目的である動脈管の収縮・弛緩に関わる低分子量HSPのリン酸化変動を検出できるところまで進めることができたので。

今後の研究の推進方策

初年度、動脈管のメタボロミクス解析を進めた。最終年度は、メタボロミクスの結果を熟考し、関連の代謝酵素の発現量の解析を進める予定である。
平成29年度は、HSP27とHSP20を検出できる抗体を調製し、HSP27リン酸化の検出の基本条件を設定した。最終年度は、まず、ヒートショックタンパク質(HSP)20のリン酸化状態を検出する条件を設計したい。その後、収縮・弛緩させた動脈管・肺動脈試料に対して、HSP27とHSP20のリン酸化状態の変動の検出に進みたい。

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公開日: 2018-12-17  

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