研究課題
本研究は、ヒト川崎病に類似した血管炎像を呈するCandia albicans water soluble-induced (CAWS) 血管炎モデルマウスモデル、およびヒト川崎病患者の血清や尿を使用し、川崎病血管炎発生における炎症、免疫応答、その過程でのエクソソームの役割を明らかにすることにより、ヒト川崎病の病態解明、および治療手段を確立することである。①昨年度に引き続き、研究分担者の深澤が以前作製した、CAWS 血管炎モデルマウスモデルおよびコントロール群の心臓のパラフィン固定標本を各12匹づつ使用し、エクソソーム関連蛋白の同定を試みた。また、各種炎症細胞の動態について、形態学解析を施行した。さらに、エクソソーム、DNAの同定のため、in situ hybridization も再度施行した。②マウス血清中のエクソソーム分画とそれ以外の分画からのmiRNAを試みた。10匹を1つの検体として、コントロール群と血管炎活動期からmiRNA抽出を行い、miRNA ready-to-use PCR mouse & rat panel I+II (Exiqon) を使用してReal time-PCR に基づくmiRNA の網羅的解析を試みた。③一昨年度からは、これらの動物実験に加えて、過去の手術で得られたヒト川崎病患者5名の冠動脈標本を入手し、組織学的、免疫動態の解析に関する実験も行っている。特にmacrophage phenotypeを免疫染色にて同定することにより、川崎病における血管炎発症メカニズム解明を目指している。対照群としては成人の動脈硬化標本を使用した。M1のマーカーとしては、CD86, SOCS3を、M2 のマーカーとしてはCD163, MRC1 を使用した。その結果、川崎病ではM1 phenotypeが、成人動脈硬化病変ではM2 phenotype が有意であることが判明した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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