研究課題/領域番号 |
16K10083
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
宮崎 文 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (50561461)
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研究分担者 |
坂口 平馬 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (70574630)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | QT延長症候群 / 新生児 / てんかん / 発達障害 |
研究実績の概要 |
今回の研究目的は、新生児期・乳児期発症重症QT延長症候群とてんかん・発達障害の関係を明らかにすることである。研究方法は、新生児期・乳児期に診断されたQT延長症候群患者 (LQTS)を対象とし、胎児期・新生児期に重度不整脈がみられたLQTS (perinatal LQTS)と、みられなかったLQTS (non-perinatal LQTS)の二群に分け、その臨床像を脳障害 (てんかん、発達・発育障害、脳波異常)の有無を中心に以下の点について検討することである。 ①QT延長症候群致死性不整脈合併の有無、つまりQT延長症候群の重症度と脳波異常・てんかん・発達障害の合併の有無の関係②QT延長症候群遺伝子型と脳波異常・てんかん・発達障害との関係③てんかん・発達障害合併QT延長児の脳障害の評価 希少疾患のため平成28年度の新規患者は1名で、これまでの21名とあわせ22名 (perinatal LQTS 6名、non-perinatal LQTS 16名)で検討した。 結果① 新生児期以降、致死性不整脈・失神はperinatal LQTSでは5名 (83%)に、non-perinatal LQTSでは1名 (6%)にみられた。てんかん・発達障害はperinatal LQTSで5名 (83%)にみられ、non-perinatal LQTSではみられなかった。 結果② perinatal LQTSの遺伝子型はLQT2 3名、LQT3 3名であった。Non-perinatal LQTSはLQT1 7名、LQT2 4名、LQT3 1名、LQT7 2名、同定されず 1名であった。 結果③ てんかん・発達障害を合併した5名に脳波、頭部画像診断 (CT/MRI)を行った。結果、脳波異常は4名にみられたが、頭部画像診断で異常がみられたものはなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
希少疾患であるため、新規患者の獲得はかなり困難である。本研究の対象者は小児であり、今後の発達の観察が重要で、現在、登録している22名の経過を観察することに、今回研究の意義があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
希少疾患であり、症例数を確保するため、新生児期・乳児期に診断されたQT延長症候群のみならず、幼児期にQT延長症候群と診断された患者を登録するようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定していた消耗品が安価で購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究での、新生児期・乳児期に診断されたQT延長症候群と診断された患者の情報収集を行う。
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