研究実績の概要 |
49人の極低出生体重児のエントリーを行い,日齢0,3,7,14,28時点での血液検査と患者背景の抽出を行なった. エントリーされた49名の背景は,平均在胎週数28週0日 (23週5日~36週3日),平均出生体重 927 g (420-1466 g),性別 31:18 (男:女),出生時の血小板数 23.6万 /ul (5.6万~47.2万 /ul)であった. また、エントリーされた児の動脈管閉鎖時期の中央値は日齢2 (日齢0-60)であった. 上記日齢に血液表面マーカーの検討を行い,好中球-血小板凝集体 (好中球の表面マーカーであるCD11bと血小板の表面マーカーであるCD41+のdouble positive)の割合は日齢7にかけて低下し以後上昇する傾向を認めた. 一方で,他に比べて割合が著明に高い児が数人おり,それらの児の入院期間中の血栓所見の有無を含めた合併症との関連の有無を検索している. 加えて正常体重で出生した児に対しても併せて解析, 比較している. またこれらの児の血栓症のリスク因子の抽出 (仮死,PIカテーテル留置,感染など)を行い, 表面マーカーの解析結果との統計的な比較解析を行う. 頭部MRI検査や外来での発達の状況などの転帰との関連も調べていく. 更に血栓症のリスクとの関連が報告されているMMP-9や血小板の活性化のマーカーであるCXCL7を測定し好中球-血小板凝集体, 合併症, 転帰と比較を行うことで極低出生体重児に対して血栓症の予測や適切な採血タイミング,児の転帰に影響するか等を考察している.
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