研究課題/領域番号 |
16K10093
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
岡田 仁 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (30253272)
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研究分担者 |
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
岩瀬 孝志 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30284368)
西庄 佐恵 香川大学, 医学部附属病院, その他 (40437687)
伊藤 進 香川大学, 医学部, 客員研究員 (80145052)
近藤 健夫 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80747535)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ビリルビン遊離作用 |
研究実績の概要 |
本年度はNICUで使用されている薬剤リストの薬剤について文献、教科書によるビリルビン遊離作用の記載、各薬剤の物理化学的性質の調査を行いビリルビン遊離作用の有無について調査を行った。そのうち抗微生物薬に分類されている38薬剤を対象として、教科書による検索、論文による検索、薬剤の物理化学的性質による検討をおこなった。教科書はAvery’s Neonatology (7版)、Avery‘s disease of the newborn (9版), fetal and neonatal physiology (4版)、Nelson text book of the pediatrics.(18版)、小児科学(第3版)を使用し、ビリルビン遊離作用の有無について調査を行った。文献検索で利用したデーターベースはPubmed、医学中央雑誌とし、ビリルビン遊離作用の有無を調査した。薬剤の蛋白結合率、塩基性薬剤の有無、高分子蛋白の有無をインタビューフォーム、化学大辞典などより調査をおこなった。蛋白結合率の低い薬剤、塩基性薬剤、高分子蛋白の薬剤はビリルビン遊離作用なしとした。結果として教科書および論文の検索において、ビリルビン遊離作用の有無が判明している薬剤は17薬剤であった。蛋白結合率の低い薬剤は9薬剤、塩基性薬剤は4薬剤、高分子タンパク質は4薬剤であった。これらを総合して38薬剤中13薬剤がビリルビン遊離作用の検討を要することが判明した。同様な調査を循環器、呼吸器、内分泌、代謝、血液、循環器疾患などで利用する薬剤についても行い、22薬剤がビリルビン遊離作用が判明していない薬剤であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビリルビン遊離作用の不明な薬剤が抽出できたため次年度にin vitroの検討が行える
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今後の研究の推進方策 |
ビリルビン遊離作用が不明確な薬物に対しビリルビン測定法も含めたin vitroでのビリルビン遊離作用について検討を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度はin vitro試験で使用する薬剤や試薬などの購入、学会報告、論文作成などに使用するため。ビリルビン遊離作用のin vitroの調査としてグルコースオキシダーゼーペルオキシダーゼ法を用い、対照薬剤の濃度を変化させ遊離ビリルビンを測定。それを基に薬物濃度と遊離ビリルビン比により薬物のアルブミンのビリルビン結合部位での結合定数を算出し検討を行う。またグルコースオキシダーゼーペルオキシダーゼ法による遊離ビリルビン測定系において対象となる薬剤がその基質となったりペルオキシダーゼのアクセレレーション作用を持つ性質がある場合は赤血球膜からアルブミン抽出によるビリルビン測定を行う。ビリルビンアルブミン複合溶液にヒト洗浄赤血球を混和し、各薬剤濃度でインキュベートしアルブミンで赤血球に分布したビリルビンを抽出し、高速液体クロマトグラフィーでビリルビン濃度を測定し遊離ビリルビンの変化を検討する。測定結果は学術集会で発表し、論文化を行う。
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