研究課題
目的:本邦の新生児集中治療室(NICU)で使用される薬剤のヒト血清アルブミンからのビリルビン遊離作用の有無を明らかにする。方法:対象は選定した113薬剤のうち、薬剤添付文章、インタビューフォーム、文献、教科書、薬剤の物理化学的性質、蛋白(アルブミン)結合率から、ビリルビンの遊離作用の有無が明確に示されていなかった22薬剤(リファンピシン、エリスロマイシン、ウルソデオキシコール酸、ファモチジン、ヨウカカリウム、フェニトイン、フェニレフリン、リネゾリド、フルコナゾール、ベタミプロン、フェニルブチレート、プロピルチオウラシル、エナラプリル、ジドブジン、スルバクタム、フォスカルネット、ATP、フレカイニド、ナファモスタット、カスポファンギン、オセルタミビル、ラミブジン)。それぞれの薬物濃度を0-1-3-5mMになるようにビリルビンヒト血清アルブミン複合溶液に混合し、ビリルビンオキシダーゼペルオキシダーゼ法でアンバウンドビリルビン(UB)を測定し、UB濃度をV、初期UB濃度をV0とし横軸に薬物濃度、縦軸にV/Voとしてプロットを行う。その傾きkd(薬剤のビリルビン結合部位に対する結合定数, L/mol)を算出し、スルフォイソキサゾールと比較検討する。結果:kdスルフォイソキサゾール 3.7x10^2、kdウルソデオキシコール酸 1.1x10^3、kdナファモスタット 1.6x10^3、それ以外の薬剤のkdは<1.0~40であった。50uM以下の濃度におけるkdウルソデオキシコール酸、kdナファモスタットは40未満であった。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
日本小児臨床薬理学会雑誌
巻: 30 ページ: 48-52
Annals of Clinical Biochemistry: International Journal of Laboratory Medicine
巻: 55 ページ: 296-298
10.1177/0004563217709844
巻: 55 ページ: 276-280
10.1177/0004563217716474
Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology
巻: 185 ページ: 50-54
10.1016/j.jphotobiol.2018.05.019