研究課題
【目的】出生体重1,500g未満の極低出生体重(VLBW)児の脳室内出血や慢性肺疾患(Chronic lung disease:CLD)は、児の生命予後や神経学的予後を左右する重篤な合併症である。そこでVLBW児の臍帯静脈内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cell:HUVEC)と新生仔マウスに対する高濃度酸素投与がフォン・ヴィレブランド因子(vWF:von Willebrand factor)および凝固・線溶関連因子に及ぼす影響について検討した。【方法】HUVEC採取はDispaseを用いて剥離・培養した。培養細胞にRT-PCRによる凝固・線溶因子の高濃度酸素による障害の評価をH2O2添加によるmRNAの発現で評価した。一方、野生型マウスとプラスミノーゲン活性化因子阻害剤-1(plasminogen activator inhibitor-1:PAI-1)欠損マウスの新生仔を高濃度酸素チャンバー内で4日間飼育し検討した。【結果】①H2O2添加にて有意に発現増加誘導がかかるのは、PAI-1と組織因子(tissue factor:TF)であるが、VWF発現に変化はなかった。②高濃度酸素投与で野生型マウスの平均肺胞径(mean linear intercepts: MLI)は、非投与マウスと比較して有意に大きく、CLDの病態を呈したが、酸素投与PAI-1欠損マウスの平均肺胞径は高濃度酸素投与野生型マウスに比べ有意に小さく、CLD発症を予防した。【考察】高濃度酸素暴露によるCLD発症は、線溶系を活性化させることで、CLDの発症・進展を予防できる可能性が示唆された。協力研究者:血栓止血先端医学講座・辰巳公平先生。
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