研究課題/領域番号 |
16K10114
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
前野 泰樹 久留米大学, 医学部, 准教授 (90248401)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胎児心機能 / 新生児ループス / 母体抗SS-A抗体 |
研究実績の概要 |
平成30年度も、引き続き胎児期の心機能評価をDoppler法によるTei index, 組織Doppler法による収縮能、拡張能、およびTei i ndex、Mモード法によるTAPSE, MAPSE、Dual gate Doppler法によるTei index, 心房内伝導遅延の計測の各項目についてデータを収集した。正常コントロール児については本年度も100例以上であり十分な症例数が収集できたが、抗SS-A抗体陽性母体については、例年より少ないペースでの症例数であり、予定では年度の途中で解析に入るとしていたが、本年度終了時の7例で、さらに来年度3例以上集積するまで最終解析を待つこととした。 現時点でのデータを統計的なものではなく個別に見たところでは、抗SS-A抗体陽性母体の胎児でも概ね心機能は正常範囲で推移しているが、Tei indexや、その基礎となる当容収縮期(ICT)や当容拡張期(IRT)が延長している症例が散見されている。全体として、正常胎児症例より頻度が高いかどうか、データ解析の結果に注目したい。 抗SS-A 抗体陽性母体からは、今年度も経過中の房室ブロックの発症症例はなく、全例心機能の評価をすることができた。 国内、国際学会においては、本研究のテーマである心機能低下の可能性を含めて、新しい母体管理方法について新しいデバイスの利用の考案について紹介した。平成28年度のパイロット研究結果(過去5年間の抗SS-A抗体陽性母体の胎児について心機能評価を後方視的の検討)であるTei indexの上昇という結果を踏まえて、関連する専門家と情報交換を行い、本研究の結果を論文報告するにあたっての方向性を確認していくことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
母体抗SS-A抗体陽性症例の紹介が本年度当初が特に少なく、十分な症例数が集まらなかった。本来では解析に入り論文執筆に入るところであったが、平成30年度いっぱい、症例の集積を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度として、収集したに、正常コントロールおよび抗SSA抗体陽性母体での胎児症例の胎児心エコーによる継時的な心機能の変化について、データ解析に入る。国内外の専門学会にて報告を行い、論文として報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例の集積およびデータの収集に時間を有したため、現時点でデータ集積に関してはほぼ終了しましたが、データ解析さらには学会発表および論文化が終了できませんでした。このため、2018年度での予算について使用できずに残ることとなりました。 2019年度に事業を延長し、データ解析および学会発表、論文化に関わる予算として使用する予定です。
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