抗SS-A抗体陽性母体による新生児ループスにおいて、胎盤移行した自己抗体による胎児心筋への影響の有無を明らかにするため、胎児心エコー検査にて経時的な心機能を調査した。2017年度に2016年までの複合的な心機能の指標であるTei indexを集計したところ異常値を持つ胎児が散見されたため、一般的な計測法の誤差をなくし、さらに詳細な当容収縮期(ICT)や当容拡張期(IRT)を解析するために、2017年度からDual Doppler法により同一心拍で評価した。その結果、それ以降はICTとIRTの延長によるTei indexの異常を認めたのは1例のみであり、通常は胎児の心機能は保たれていた。
|