皮膚においてNADPH Oxidase(Nox)が産生する過酸化水素(H2O2)は、AQP3あるいは9を介して細胞内に取り込まれることで、炎症形成と疾患に関与するという仮説を検証した。紫外線B(UVB)照射による皮膚炎症には表皮細胞に発現するNox1が関与していた。表皮細胞では、UVB照射により誘発されるH2O2の産生がNox1欠損によって減少しており、これに伴いp38/MAPK細胞シグナルの活性化の抑制と、炎症性サイトカイン産生が抑制された。表皮細胞で産生された高濃度のH2O2は、AQP3を介して細胞外へ分泌されている可能性が示され、また皮膚でおこる炎症反応惹起に関与していることも示された。
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