研究課題/領域番号 |
16K10134
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小豆澤 宏明 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10379240)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 薬疹 / DLST / Stevens-Johnson症候群 / 中毒性表皮壊死症 / 薬剤性過敏症症候群 / ELISpot |
研究実績の概要 |
患者末梢血単核球に抗CD3抗体と抗CD28抗体とインターロイキン2を添加して1週間の培養し、T細胞を活性化・増殖し、磁石による抗体の除去と洗浄によるサイトカインを除去した後、この活性化リンパ球に薬疹の原因となった薬剤を添加し、薬剤添加IFN-γELISpotを行った。この結果、従来の薬剤添加IFN-γELISpotにくらべ活性化リンパ球を用いた薬剤添加IFN-γELISpotは、原因薬剤特異的なIFN-γ産生をより高率に検出できることがわかった。T細胞を抗原非特異的に活性化させることにより、薬剤非特異的なIFN-γ産生が誘導される症例があったが、原因薬剤を添加した際のIFN-γ産生は、これよりも明らかに多く、判定基準の工夫により、その影響を除いて検出できる可能性が示唆された。これにより原因薬剤を検出する上での感度を向上させ、現在臨床で用いられるDLSTにかわるより有用な次世代の原因薬検査法として有用である可能性が示唆された。原因薬剤が明らかな10数症例において従来の薬剤添加IFN-γELISpotの陽性率は2割程度であったが、活性化リンパ球を用いた方法では陽性率の方が高かった。さらに、薬剤添加による細胞内カルシウム流入をフローサイトメトリーで計測する方法による原因薬検査法を樹立をめざし、末梢血単核球を用いてFluo-3-AMと Fura-Redを用いて、T細胞の活性化を検討をおこなった。またT細胞表面マーカーを染色した細胞において細胞内カルシウム流入をフローサイトメトリーで計測できるか検討を行った。細胞内カルシウム流入をフローサイトメトリーで計測する方法による原因薬検査法の確立の技術的な準備を行い、薬剤特異的な細胞内カルシウム流入の検出の可能性について検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞内カルシウム流入をフローサイトメトリーで薬剤反応性の細胞を計測する方法について、薬剤を添加しての検討を行う上での技術的な準備はできたが、末梢血単核球中のわずかの薬剤反応性細胞におけるカルシウム流入を検出するために技術的な工夫を検討する必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
活性化リンパ球をもちいた薬剤添加IFN-γELISpotの検討を引き続き行うとともに、細胞内カルシウム流入をフローサイトメトリーで薬剤反応性の細胞を計測する方法についての方法の改良を行う。さらにこの活性化リンパ球を用いた方法に加え、最近報告のあったProgrammed death -ligand 1(PD-L1)を抗体で阻害し薬剤添加IFN-γELISpotを行う方法についても併せて検討することで、より有用な検査法の確立を目指し検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)IFN-γ以外にも計測を検討すべきサイトカインの候補を検討するため、培養上清をもちいたBead array解析を業者へ計測する予定であったが、すでにIFN-γで、より感度の高いIn vitroの検査法を確立できる可能性が示唆されたため、検討を保留している。 (使用計画)進捗状況に応じて培養上清をもちいたBead array解析を業者へ委託して計測することを計画している。
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