研究課題/領域番号 |
16K10135
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
津田 英利 自治医科大学, 医学部, ポストドクター (30414923)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | IL-33 / 細胞増殖 / ケラチノサイト / 乾癬モデルマウス |
研究実績の概要 |
IL-33をノックダウンさせた場合、WB上ではアクチンタンパク質やコフィリンと言った、アクチンダイナミクスに関するタンパク質の減少やリン酸化の異常が観察されたが、細胞を蛍光免疫染色させてみた場合ではコントロールと比べて大きな違いを見ることは出来なかった。 またIL-33の全長及び、各種スプライスバリアントとトランケートフォームのIL-33をケラチノサイトへトランスフェクションし、UVBに対して、抵抗性を持つか否か検討したが、いずれのフォームのIL-33もUVBに対する抵抗性は見られず、むしろIL-33を強発現することにより、UVBへの感受性が高くなっている様に感じられた。今後さらに詳しく検討する必要がある。 乾癬モデルマウスに関しては、野生型マウス、IL-33ノックアウトマウス、ST2Tgマウスについて、イミキモドクリームを7日間連続塗布して作成した。その結果、処理開始から全てのマウスで表皮肥厚が同じように進行していくことが解った。しかしIL-33ノックアウトマウスをST2Tgマウスに関しては処理最終日に野生型と比べて表皮肥厚が抑えられる蛍光が見られた。この時、表皮内のマスト細胞をトルイジンブルー染色により検討したところ、野生型に比べてIL-33ノックアウトマウス、及びST2Tgマウスにおいて、野生型と比べてマスト細胞の数が少なくなることが解った。マスト細胞は炎症を惹起し、表皮肥厚を増長させる原因の一因である。よってこのことにより、炎症が穏やかになることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IL-33ノックダウン細胞については、免疫染色を試みたが、ウエスタンブロットで観察された違いは観察されなかった。染色によって機能的解析とともに、量的変化についても検討する必要があるため、引き続き、検討を行う予定である。またIL-33の各種スプライスバリアントのトランスフェクションについての検討であるが、代表的なバリアントによる評価を行うことが出来た。また推測した結果とは逆の結果となったが、想定内の結果であり、今後の検討課題が新たに出来たものの、一定の実験結果と成果を得られたと考えている。 また乾癬モデルマウスについては、順調にn数を増やしているところであり、サンプルについても計画的に解析を随時行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ケラチノサイトに対する、各種IL-33のバリアントトランスフェクションを行い、さら詳細な検討を行う予定である。また、乾癬モデルマウスに関しては、解析を行うための血清や皮膚組織についてのサンプリングは終了しているため、そららを随時、ELISAやRNA抽出後、aRT-PCRを行う等して、野生型及びIL-33KOマウス、ST2Tgマウスの間で見られて、表皮肥厚の違いに関して、検討しうるデータを随時得ていき、どの様な現象が起こっているのか推測する。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vivoの実験が順調に進んでいるため、マウスの購入費及びその維持費に当てるため。
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