研究課題/領域番号 |
16K10145
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩澤 真理 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70375723)
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研究分担者 |
松岡 悠美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (10402067)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 感染症 / 皮膚 / 免疫 / 真菌 |
研究実績の概要 |
先行する研究において、申請者らは新規C. albicans経表皮感染マウスモデルを確立し、感染初期における菌体排除に、Type3 Innate lymphoisd cellsとγδT 細胞によるIL-17産生重要であることを見いだした。一方、先天的な遺伝子異常により難治性・再発性の口腔内および皮膚のカンジダ症を表現系とする、Chronic mucocutaneous candidiasis disease がヒト疾患として報告されている。この疾患のヒト抹消血細胞では、CD4+T細胞によるIL-17産生の傷害が疾患の発症に寄与していると報告され、我々のマウスの系で明らかにしてきた細胞と異なる。この相違点は、獲得免疫系ではCD4+Th17細胞の役割が重要であることに依存していると考え、本研究ではこれまでに確立したC. albicans経表皮感染マウスモデルを発展させ獲得免疫系におけるIL-17産生細胞の解析を行い、宿主免疫系のC. albicanに対する獲得免疫系での役割を明らかにする。申請者らの先行する研究では、マウスに経表皮的にC. albicansを暴露させた後、2日目にIL-17産生細胞の解析、および7日目で表現系を確認していたが、SPF条件下のマウスではC. albicansは常在微生物としては検出されず、ナイーブ αβT細胞が、予備刺激を受けエフェクターへの分化に少なくとも3-5日を要すること、2-3週目にその最大値に達することを考えると、より後期の時系列でのIL-17産生細胞の解析を行う必要があると考え、C. albicans暴露後7日以降の皮膚浸潤細胞および所属リンパ節の解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
αβT細胞の出現が当初予測していた時期では検出困難であるので、C.albicans暴露後のどの時点でαβT細胞の出現が起こるのか、またマウスではこのモデルで他の細胞が獲得免疫系を担保している可能性を検討する必要性が出てきたため、計画の遅れが若干生じている。
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今後の研究の推進方策 |
28年度の問題点をふまえ、αβT細胞とγδT細胞の獲得免疫系に対する時系列ので寄与度合いに関して引き続き解析を継続する。その結果を踏まえ、まず初回感染から2週以上が経過した野生型および、Rag2-/-マウスにC. albicansを再感染させ、CFUによる感染局所の生菌数、局所皮膚・所属リンパ節におけるIL-17産生細胞のFlow Cytometryによる解析、PCR法やELISA法による炎症性サイトカインを含む定量の比較解析を行う。次に異差が見られた場合は、Il17a/f-/-やRag2-Il2rg-/-マウスにおいても検討を行う。
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