研究課題/領域番号 |
16K10149
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木庭 幸子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20436893)
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研究分担者 |
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 悪性黒色腫 / 循環腫瘍細胞 / BRAF遺伝子 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究実績の概要 |
1.Target therapyにより変化する循環腫瘍細胞の数的解析 (木庭,奥山,実験助手):対象:ダブラフェニブ+トラメチニブによる治療を受ける悪性黒色腫患者 2名 ①数的変化の解析として,治療前・治療開始から1週間後、2週間後、1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後のタイムポイントで末梢血を採取保存し,染色の後,セルアナライザーでCTCの数的変化を調べた.メラノーマの病勢マーカーであるLDHや5-S-CDと連動して,循環腫瘍細胞数が変化することを確認した.循環腫瘍細胞の一部を採取し,DNAを抽出し,シングルセルレベルでBRAF遺伝子の変異を解析した.循環腫瘍細胞には、原発巣や転移にくらべて、多彩な遺伝子変異が検出された。また、変異細胞の推移は治療効果を鋭敏に反映する可能性が示された. 2.免疫チェックポイント阻害薬治療により変化する循環腫瘍細胞の数的解析 (木庭,奥山,実験助手):対象:PD-1抗体阻害薬による治療を受ける悪性黒色腫患者 5名 ①数的変化の解析として,治療前・治療後2週間後、1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後のタイムポイントで末梢血を採取保存し,染色の後,セルアナライザーで循環腫瘍細胞の数的変化を調べた.一部の患者においては、メラノーマの病勢マーカーであるLDHや5-S-CDと連動して,循環腫瘍細胞の数が変化することを確認した.また、一部の患者では、循環腫瘍細胞の数は病勢を反映しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度中に、target therapyを受けた患者については2名解析が終了した。のこり1名も現在解析中である。免疫チェックポイント阻害薬患者については5名の解析が終了した。ゆえに、当初の予定どおりに進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
【課題】 循環腫瘍細胞の質的解析としてBRAF遺伝子変異を調べている.このほかに,悪性黒色腫でみられるNRAS遺伝子やKIT遺伝子を調べたいところであるが,前年度同様に全ゲノムの増幅が均一に行えなかったため,遺伝子解析はBRAFしか行えない. また,ダブラフェニブ+トラメチニブによる治療を受ける悪性黒色腫患者の3-4名を対象に,経時的な変化を解析する予定であったが,ダブラフェニブ+トラメチニブによる治療患者が2名しか得られなかった. 【今後の推進方策】 近日中に,PD1抗体薬,CTLA抗体薬の併用が保険収載される.併用療法は効果の発現が早いことが知られており,循環腫瘍細胞の変化も早い時点で起こる可能性がある.これらの患者も解析対象とする計画である.
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