既存の臨床検査で必ずしも容易ではない、薬疹の原因薬剤同定法の開発を試みた。既存のリンパ球刺激試験(DLST)は患者から採血をおこない、そこから得られた単核球に被疑薬を各濃度で添加して3H-チミジンの細胞内取り込みを調べるものであるが、その陽性率は必ずしも高くないことから、我々は薬疹の診断時に行う皮膚生検組織の断片を用いて、皮膚に浸潤したT細胞を培養増幅する技術を確立し、そのT細胞に原因薬剤を添加して刺激し、そのサイトカイン産生や増殖を調べることで、原因薬剤を同定する方法を確立した。この方法では、過半数の症例で原因薬剤が同定可能であった。
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