我々はこれまで、本邦における獣肉アレルギー患者が交差反応のために抗癌剤のセツキシマブ、カレイ魚卵にアレルギー症状を示すことを報告した。 獣肉とセツキシマブの原因アレルゲンは糖鎖galactose-α-1,3-galactose (α-Gal)である。獣肉アレルギー患者の多くがアニサキスやハチ毒アレルギーを発症しており、これらの交差反応について検討したが証明はできなかった。しかしながら、本研究にて獣肉アレルギーに交差反応するカレイ魚卵アレルギーの原因アレルゲンを同定した。α-Galそのものではなかったが、交差する糖鎖の関与が明らかとなった。これは、生物種を超えた交差アレルギー反応と考えられる。
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