研究課題
基盤研究(C)
再プログラミング因子(OCT4, SOX2, KLF4, c-MYC, LIN28)を悪性黒色腫細胞に発現させると間葉-上皮移行(MET) 様の形質転換が生じた。すなわち、上皮細胞様の形態変化、メラノサイト特異遺伝子の発現減少、上皮-間葉移行関連遺伝子の発現減少等である。再プログラミング因子導入細胞をマウス尾静脈から移植すると肺での腫瘍増殖が明らかに減じた。これらの細胞ではMEK、ERK、AKTのリン酸化が減少し、これら分子の脱リン酸化に関わるPP2Aが増加した。
皮膚科学
悪性黒色腫細胞に再プログラミング因子を導入することによりMET様の形質転換と悪性度の減弱化が生じることを示した。これにはPP2A増加によるRAF-MEK-ERKおよびPI3K-AKTシグナル伝達経路の抑制が関わることが示唆された。これらの発見が新たながん治療につながることを期待する。