研究実績の概要 |
K5.Stat3C マウスの足趾に0.5% DNFB を2週間塗布後に鼡径リンパ節を摘出し、乾癬関連遺伝子の発現を検討したところ、K5.Stat3C: LRG (-/-)においてはK5.Stat3C: LRG (+/+) と比較してTNF-alpha, IL-17F, BD3 の発現が有意に低下していた。DNFB 塗布部の足趾では、K5.Stat3C: LRG (-/-)においてTNF-alpha, IL-17A の発現が有意に低下していたことから、関節炎・付着部炎の発症機序としてTNF-alpha, LRG が、炎症局所ならびに所属リンパ節に共通して関与していることが推測される。接触皮膚炎を起こす他の物質としてオキサゾロン、FITC (Fluorescein isothiocyanate)、TNCB (2,4,6-trinitro-1-chlorobenzene) を用いて接触皮膚炎誘発性の関節炎・付着部炎が誘導できるか試みたものの、DNCB でみられた関節炎・付着部炎は認められなかった。 高濃度(0.5%) DNCB は単回塗布でも一週間以上遷延する接触皮膚炎を生じ、病変部ではIL-17A の発現が上昇していることが報告されており、皮膚病変におけるIL-17AおよびTNF-alpha, LRG の増加が、DNFB 誘発の関節炎・付着部炎の発症のトリガーになることが推測される。
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