1)プロゲステロン阻害剤であるmifepristoneは単剤では増殖抑制効果は示さないが、低用量のromidepsinと併用することにより増殖抑制効果を有意に亢進させた。そのメカニズムとしてはアポトーシスの増強作用に加えて細胞周期の停止があることを明らかにした。HDAC阻害剤もしくはmifepristone単剤ではphospho-Histone H3 (phosphor-Ser10) 陽性細胞の割合はコントロールと変化を認めなかったが共刺激することにより陽性細胞の割合が増強していた。さらにcyclin A2とcyclin B1に関してもHDAC阻害剤もしくはmifepristone単剤では共刺激することにより発現が減少していた。
2) 核内受容体であるretinoid acid receptor、retinoid X receptor、retinoic acid receptor-related orphan receptor、 peroxisome proliferator-activated receptor、vitamin D receptor及びprogesteron receptorに関して作動薬を用いてHDAC阻害剤との併用効果があるか検討を行ったところ、vitamin D receptorとprogesteron receptorの作動薬にHDAC阻害剤のアポトーシス誘導能を増強する作用があることを明らかにした。
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