研究課題/領域番号 |
16K10169
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
浅井 純 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50438222)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 腫瘍特異的リンパ球 / 悪性黒色腫 |
研究実績の概要 |
本研究は、腫瘍に対する免疫応答で活性化したリンパ球が腫瘍特異的に浸潤することを利用して、腫瘍特異的リンパ球をドラッグキャリアとする新しいcell-mediate drug delivery systemによる皮膚悪性腫瘍治療の開発を行うことが目的とし、本年度は1.抗癌剤含有PLGAナノ粒子の作成 2.作成した抗癌剤含有PLGAナノ粒子の腫瘍特異的リンパ球への取り込み効果の検討を行った。抗癌剤含有PLGAナノ粒子は薬剤およびPLGAを有機溶媒に溶解させ界面活性剤水溶液中でエマルションにすることで作製した。粒子径およびゼータポテンシャルを測定し、粒子中の薬剤含有量は高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて測定した。リンパ球へ取り込みについては、抗癌剤と同様の化学的特性をもつ蛍光物質を含有するナノ粒子を代替として用い、PLGAナノ粒子とリンパ球との共培養後、視覚化し評価する。評価には共焦点レーザー顕微鏡・蛍光顕微鏡を用いた。抗癌剤はタキサン系抗癌剤であるドセタキセルを選択した。 ドセタキセル含有PLGAナノ粒子の作成は成功したが、ナノ粒子のリンパ球への取り込みついて、効率の良い至適条件の設定に苦慮している。リンパ球への取り込みについてはクマリン含有PLGAナノ粒子の取り込みを共焦点レーザー顕微鏡で確認することができたが、取り込まれたナノ粒子が少なく、HPLCなどによるリンパ球内に取り込まれた抗癌剤の定量評価が困難であった。 リンパ球へのさらなるナノ粒子の高率のより取り込みに対する工夫が必要と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗癌剤含有PLGAナノ粒子の作成は予定通り進行しているが、リンパ球への効率的なナノ粒子の取り込みについて、至適条件がまだ設定できずに苦慮している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、抗癌剤含有PLGAナノ粒子の腫瘍得的リンパ球への効率的な取り込みについて、至適条件を検討する。そしてリンパ球への充分量の取り込みが可能となれば、引き続いてin vitro ならびに in vivoでの抗腫瘍効果の検討にうつる予定である。
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