研究課題/領域番号 |
16K10172
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小宮根 真弓 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00282632)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | IL-33 / 表皮細胞 / トランスジェニックマウス / 炎症 / 皮膚炎 |
研究実績の概要 |
インボルクリンプロモーター下流にマウスIL-33遺伝子を挿入し、インボルクリン発現部位でIL-33を発現するベクターを構築した。トランスジェニックマウス作成は外部に委託した。 1年目に作成したマウスにおいては、トランスジェニックの個体はすべて早期に死亡したが、再現性を確認するために、もう一度トランスジェニックマウスの作成を試みた。 インボルクリンプロモーター下にIL-33を有棘層に発現するマウスを観察したところ、第3週には、野生型に比較して体重も軽く、体温も低下傾向であった。そこで、第3週目で皮膚、肺、脾臓を回収し、IL-33の発現を検討したところ、各臓器において、IL-33トランスジェニックマウスでは野生型マウスに比べてIL-33発現が亢進していた。皮膚の免疫染色にて、表皮の顆粒層においてIL-33発現を認めた。特に手足において表皮の肥厚と皮下の浮腫が著明であり、好中球と思われる大量の細胞浸潤を皮内から皮下に認めた。 手足は外的刺激を受けやすい部位であり、IL-33を過剰発現したマウスでは外的刺激によりIL-33が放出されて強い炎症が惹起されるものと考えられた。 現在、IL-33発現を誘導できるマウスの作成を検討中である。今後それらのマウスを用いて、当初計画した表皮に発現するIL-33の役割について、検討を進めたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
作成したトランスジェニックマウスが、生後4週ほどですべて死亡してしまうため、当初計画した実験が施行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
テトラサイクリンあるいはエストロゲンによりIL-33発現誘導可能なマウスを作成することを検討している。これらのマウスを用いて実験に適した週齢に達した時点でIL-33発現を誘導し、実験に用いる予定である。 また、2回目に作成したトランスジェニックマウスにおいて、これまでに収集した3週齢における標本について、免疫染色、Real-Time PCRなどで、浸潤細胞の免疫染色、炎症性分子の発現遺伝子の解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
作成したトランスジェニックマウスが早期に死亡してしまうため、計画した実験ができなかった。次年度に新たに発現誘導型のトランスジェニックマウスを作成する。
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