研究実績の概要 |
本研究では、まず、マウス髭毛包から心筋細胞分化への週齢によるちがいを検討した。4, 10, 20, 40週齢マウスから採取した髭毛包上部を10 % FBS DMEMで培養し、Cell ELISA、フローサイトメトリー、免疫染色を用いて毛包幹細胞から心筋細胞への分化量を週齢ごとに比較した。4週齢マウスの髭毛包は10, 20, 40週齢マウスの髭毛包と比較して、分化した心筋細胞数が有意に多かった。しかし、10, 20, 40週齢間に有意な差は認められなかった。また、マウス髭毛包の未分化マーカー(nestin, nanog, oct3/4, sox2, SSEA1)の発現量をリアルタイム-PCRを用いて週齢ごとに比較したが、いずれも週齢による発現量に有意な差は見られなかった。 次に、マウス髭毛包上部を10 % FBS DMEM にisoproterenol またはisoproterenol、10 ng / ml activin A、10 ng / ml bone morphogenetic protein 4 (BMP4)、5 mg / ml basic fibroblast growth factor (bFGF)を4日ごとに添加し、培養した。2週間後、心筋細胞への誘導効果を免疫染色とフローサイトメトリーで確認した。10 % FBS DMEMで培養した場合と比較してisoproterenol またはisoproterenol、activin A、BMP4、bFGFを添加し培養すると、分化した心筋細胞数が有意に上昇した。また、マウス髭毛包上部をマトリゲルで固定し、10 % FBS DMEMにisoproterenol、activin A、BMP4、bFGFを4日ごとに添加し培養すると、拍動する心筋シートが形成された。
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